本郷奏多は『カムカム』の“THE・日常”にどう溶け込む? “実写化俳優”からの広がり

 本格的にひなた編が始まったNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』。天真爛漫でちょっと能天気なひなた(川栄李奈)の姿に、思わず笑顔になっている視聴者も多いのではないだろうか。

 そんなひなたをかき乱す男が第71話から登場している。無愛想な男こと五十嵐文四郎(本郷奏多)だ。バッグを肩で持つ偉そうな態度に、ひなたを馬鹿にするような発言と感じの悪い舌打ち。その様子に、ひなたも次第にイライラが募ったのか、店から遠ざかっていく彼の背中へ「たぁ!」と心の刀をお見舞いしたのだった。

 実は五十嵐は俳優のたまご。時代劇に憧れ、単身京都にやって来るほどの行動力の持ち主で、表情には見せないが、時代劇に対しては並々ならない情熱を持っている様子。その時代劇好きを垣間見せれば、ひなたとすぐ意気投合できたと思うのだが、それができない五十嵐にはちょっと可愛い不器用さも感じられる。ひなたはもうあまり会いたくないのではないかと思うが、るい(深津絵里)とジョー(オダギリジョー)の出会いを思い返してもらうとわかるように、この手の出会いは一度では終わらない。この五十嵐がひなたの人生を大きく動かしていくことになる。

『キングダム』(c)原泰久/集英社 (c)2019映画「キングダム」製作委員会

 五十嵐を演じる本郷奏多は1990年生まれ。キッズモデルを経て、2002年に俳優デビューすると、さまざまなドラマや映画、舞台に途切れることなく出演。朝ドラには今回が初出演だが若いながらも、今や欠かすことのできないベテラン俳優となっている。彼が得意としているのが、色白で線の細い体と、整った顔立ち、鋭い眼光を生かした「現実にはいないだろう」と思わせるキャラだ。そのため、映画『キングダム』(2019年)で反乱を起こす成キョウや、『GANTZ』(2011年)の冷血漢・西丈一郎など、人気漫画やアニメの実写キャラを演じることも多い。

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