『となりのチカラ』松本潤が日本社会の影に切り込む 難役を見事に演じたソニンも

 灯の言葉を借りれば、これは立派な詐欺罪。今回のラストは見兼ねた灯がマリアの勤めていた会社に怒鳴りに行き、解雇手当やアパートの継続など諸々を手続きするという一旦の解決の仕方となっている。チカラ自身が認める通りに今回は一層、情けなさが際立つ結果となっている。

 日本代表としてチカラがしたことは、相手の芝田に対して「あなたは絶対日本代表になれない!」と叫んだくらいだ。ただ、第1話でメインとなった木次家の達代(映美くらら)と好美(古川凛)、第2話の柏木清江(風吹ジュン)と託也(長尾謙杜)と、少しずつではあるがそれぞれの家の問題が改善していっていることは事実。チカラのひたむきな姿勢が灯を動かしたと考えれば、マリアが中越家に寄せる信頼も彼のおかげとも取れる。

 また、オーディション形式でマリア役を掴み取ったというソニンの演技にも触れたい。現在は舞台女優として活躍するソニンは、地上波の連ドラにレギュラー出演するのは約10年ぶり。かなり片言のニュアンスが強い今回のマリアは、下手をすればコントのようにも見えてしまう難しい役柄だが、起伏の激しい感情表現の中で、時に憂いを感じさせる表情は、気がつけばすっかり物語に溶け込んでいた。第4話以降で、マリアがどのように中越家と接し、変わっていくのかにも注目したい。

 再び2週間のインターバルを空け放送となる次回は、道尾頼子(松嶋菜々子)がメイン。「占いにハマった女」として怪しい雰囲気を醸し出していたが、その実態はどうやら悪徳商法のようだ。

■放送情報
『となりのチカラ』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00〜21:54放送
出演:松本潤、上戸彩、小澤征悦、映美くらら、ソニン、清水尋也、長尾謙杜(なにわ男子)、浅野和之、風吹ジュン、松嶋菜々子
脚本:遊川和彦
演出:遊川和彦ほか
音楽:平井真美子
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)、服部宣之(テレビ朝日)
チーフプロデューサー:黒田徹也(テレビ朝日)
プロデューサー:秋山貴人(テレビ朝日)、松野千鶴子(アズバーズ
制作協力:アズバーズ
制作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日

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