ストーリーの中心を担えるポテンシャル

　もちろん海外ドラマも例外ではない。Netflixで配信中の韓国ドラマ『地獄が呼んでいる』では、新興宗教「新真理会」に心酔する過激派集団「矢じり」からカリスマ的な支持を集める動画配信者が登場する。

　スカルマスクを頭につけ、蛍光塗料を顔に塗った奇抜な見た目はインパクトしかない。配信内容は「新真理会」の正しさをハイテンションで訴えるだけでなく、視聴者からの“告示”に関する憶測が飛び交うなど、コメント欄も非常にカオス。そして、序盤から中盤にかけて、この配信が「新真理会」を世間に浸透させ、大衆心理を動かして正義の名の下に一般市民を暴徒化させてしまう。

　同作は動画配信者を発信源として世論が動く様子が描かれており、ある意味動画配信者の新しい可能性を示した作品である。『MIU404』『真犯人フラグ』ではサブ的な扱いだが、動画配信者がストーリーの中心になる日も遠くないのかもしれない。

　ちなみに、配信中に動画配信中に画面下にちょくちょく広告が出るのにはクスッとさせられた。動画配信の視聴が一般的になりつつある昨今、そういった細かいネタも演出されていくのだろう。

　これまで大衆を扇動して登場人物を追い詰める役割は、主にジャーナリストや雑誌記者が担ってきた。ただ、動画配信者の影響力が高まった今の時代において、その“厄介者”は移り変わっているのだろう。加えて、『MIU404』や『真犯人フラグ』のように、YouTubeと連携しやすいメリットもあるのではないか。これから動画配信者がドラマにどのように関わっていくのかも注目したい。

■放送情報
『真犯人フラグ 真相編』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30～23:25放送
企画・原案：秋元康
出演：西島秀俊、佐野勇斗、芳根京子、 桜井ユキ、生駒里奈、柄本時生、柿澤勇人、長田成哉、坂東龍汰、吉田健悟、小林きな子、森田甘路、竹森千人、BOB、青木瞭、中西美帆、渥美友里恵、町田愛、南彩加、遼太郎、原菜乃華、堀野内智、小林優仁、渋川清彦、深水元基、迫田孝也、丘みつ子、浜田晃、小松利昌、戸田昌宏、正名僕蔵、平田敦子、田中哲司、宮沢りえ
脚本：高野水登
音楽：林ゆうき、橘麻美
演出：佐久間紀佳
チーフプロデューサー：加藤正俊
プロデューサー：鈴間広枝　松山雅則
制作協力：トータルメディアコミュニケーション
(c)日本テレビ
公式サイト：https://www.ntv.co.jp/shinhannin-flag/
公式Twitter：@shinfla_ntv
公式Instagram：＠shinhanninflag_ntv