レディー・ガガ、『ハウス・オブ・グッチ』で演じた悪女を語る　「愛のために違いない」

　1月14日公開の映画『ハウス・オブ・グッチ』で主演を務めたレディー・ガガのコメントと新場面写真が公開された。

　ブランドの元祖と呼ばれ、世界屈指のファッション・ハイブランド“GUCCI”。『グラディエーター』『最後の決闘裁判』のリドリー・スコットが監督を務めた本作では、華麗なるグッチ一族崩壊の闇に包まれた“真実”を描く。

　グッチ家崩壊を招くパトリツィア・レッジャーニにガガ、夫のマウリツィオ・グッチにアダム・ドライバーが扮するほか、アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズ、ジャレッド・レトらが脇を固める。

　1995年3月27日ミラノで多くの目撃者がいる中、銃で殺害されたのは、世界的なトップブランドの元祖と呼ばれるGUCCI創業者グッチオ・グッチの孫にあたる3代目社長マウリツィオ・グッチ。犯人が特定できない状況が続く中、実行犯の黒幕が妻のパトリツィア・レッジャーニだと明かされ、世間に衝撃を与えた。これまで家族経営だったグッチ一族に、新しい血として組織の中に入り込み“レディーグッチ”とまで呼ばれたパトリツィア。貧乏育ちの彼女は、GUCCIの後継者であるマウリツィオに近づき財産目当てで結婚するも夫婦関係が上手くいかず、レディーグッチのポジションが危ういと感じ殺害したと言われている。

　懲役29年の有罪判決となったパトリツィアは刑務所の入所時にも宝石と毛皮を身につけ堂々と登場し、投獄中はペットとしてフェレットを飼い優雅な生活を送ったという逸話もあるパトリツィア。しかし本作でパトリツィアを演じたガガは「パトリツィアについて様々なことが私の心に残っている。彼女の強さもそう。それから、これはあまり知られていないのだけど、彼女がマウリツィオ・グッチと結婚したとき、彼は自分の一族全員に見放されたので、お金のために結婚したわけではなかったの。彼が殺害されたとき、二人はすでに離婚していた。つまりこういった一連のことが起きたとき、金銭的なことが懸かっていたわけでは全くなかった。これは女性として私がとても興味をひかれる点だった。なぜならそれは彼女の心が傷ついたから、そして愛のために違いないということだから」と、“欲にまみれた世紀の悪女”と見られていたパトリツィアのイメージとは異なると明かす。

　結婚当初のマウリツィオは　GUCCIの経営に興味がなく一族から離れて生活をしていたが、マウリツィオの父親が亡くなり財産を半分相続したことで、徐々にパトリツィアの野心が目覚めGUCCIの経営に介入。そんなパトリツィアに対してガガは「パトリツィアは、グッチ家に受け入れてほしいと強く思っていたの。頭が良くて、会社を経営していくために何をしなければいけないか分かっているつもりでいた。それでも受け入れてもらえたという感覚は幻想でしかなく、彼らは皆、彼女を利用してマウリツィオに近づき、自分たちの支配を固めようとしていただけなの。パトリツィアは常に部外者で、女性なら分かる人も多いと思うけど、男性社会の中にいる女性としてできることは限られていた。女性の力が注目されないことも多いから」とグッチ一族という男性社会の中で部外者扱いされてきたパトリツィアが、自分の存在を認めてもらおうとしてきただけだと分析。そして、「パトリツィアが自身の地位を高めようとする行動に悪意はなく、純粋な気持ちから起きたものだと思う。だけど残念ながら、最終的にパトリツィアは目的を果たせなかっただけでなく、当初よりもずっと悪いところまで落ちて行ってしまうの」と語った。

■公開情報
『ハウス・オブ・グッチ』
1月14日（金）日本公開
監督：リドリー・スコット　
出演：レディー・ガガ、アダム・ドライバー、アル・パチーノ、ジャレッド・レト、ジェレミー・アイアンズ、サルマ・ハエックほか
脚本：ベッキー・ジョンストン、ロベルト・ベンティベーニャ
原作：サラ・ゲイ・フォーデン『ハウス・オブ・グッチ 上・下』（実川元子訳、ハヤカワ文庫、2021年12月刊行予定）
製作：リドリー・スコット、ジャンニーナ・スコット、ケヴィン・J・ウォルシュ、マーク・ハッファム
配給：東宝東和　
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