主演・吉沢亮、大抜擢の笠松将に拍手! 『青天を衝け』第1回とシンクロする粋な最終回に
それは1年半もの長い間、栄一を演じてきた吉沢亮にも送るべき言葉だろう。青年期の13歳から晩年の91歳までという普通では考えられないような役柄を全身全霊で演じきった。特に晩年は、老人でありながら渋沢栄一であり続けなければならないというかなり難儀な役柄だったはずだ。この『青天を衝け』は吉沢亮なしには成立しなかった。すでに様々なインタビューで「『青天を衝け』は、忘れることができない作品になりそう」と語っているのを目にするが、まだまだ吉沢亮という俳優人生はつづいていく。そのつづきが見られることも楽しみにしていきたい。
先述したようにこの最終回は次の時代を受け継ぐ敬三の視点で描かれるが、そのことが示すメッセージはストーリーテラー的役を担ってきた家康(北大路欣也)から冒頭に告げられている。「真心を込めて切り開いた僕らの道の先を歩んでいるのは、あなた方だということを」と。
オンエア終了後の「紀行」で、栄一のひ孫に当たる渋沢雅英氏が登場することはそのことを強く実感させる。そして、若かりし栄一が敬三に投げかけた「今、日の本はどうなってる?」という問い。それは敬三を通して今、令和という時代を生きる我々に聞かれているような気がした。この現代に栄一が生きていたら、彼はどうするのだろう。きっと、「まだまだ、励むべぇ」と変わらずに走り続けるはずだ。
■配信情報
大河ドラマ『青天を衝け』
NHK+にて配信中
出演:吉沢亮、小林薫、和久井映見、村川絵梨、藤野涼子、高良健吾、成海璃子、田辺誠一、満島真之介、岡田健史、橋本愛、平泉成、朝加真由美、竹中直人、渡辺いっけい、津田寛治、草なぎ剛、堤真一、木村佳乃、平田満、玉木宏ほか
作:大森美香
制作統括:菓子浩、福岡利武
演出:黒崎博、村橋直樹、渡辺哲也、田中健二
音楽:佐藤直紀
プロデューサー:板垣麻衣子
広報プロデューサー:藤原敬久
写真提供=NHK