『カムカム』第7週は「山場に向けての積み重ね」 制作統括が絶賛する役者陣の熱演

 クリスマスに算太(濱田岳)が雉真家にやってきて、美都里(YOU)が息を引き取り、さらには勇(村上虹郎)に安子(上白石萌音)との再婚話まで持ち上がり……家族関係に様々な変化が見られた『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)第7週。

 制作統括の堀之内礼二郎は、この第7週を「繊細な関係性を紡いでいくのが大変で、その先に待ち受ける山場に向けての積み重ね」だと総括した。

 まずは、算太と美都里共にこれまでとは全く異なる表情が見られた、第7週初日の2人の抱擁シーン。「あほじゃねえ。生きとるだけで、ええんじゃ」という美都里の言葉が、それまでどこか虚勢を張り悪態をついていた算太を優しく包み込む印象的なシーンを堀之内はこう振り返る。

「算太は両親に会いたいと思って必死で帰ってきました。けれどそれが叶わず、深い悲しみを心に抱えるものの、それが知られないように偽悪的に振舞った算太の本心を引き出した美都里さん。戦場でもずっと両親に謝りたいと思い続けてきた算太が許しを得た瞬間だったように思えます」

 算太役の濱田岳については、「圧倒的に人の心を動かす強さを持った芝居ができる役者さん」と絶大な信頼を寄せた。また、美都里の変化については、台本が上がってきた時に意外だったと感想をこぼす。

「最初からある種、敵(かたき)として描かれてきた彼女が女神のような存在になり、さらにはるいちゃんに美都里さんが癒されて悲しみが昇華されていきます。脚本の藤本有紀さんの愛情、優しさがすごく込められた役柄だと思いました」

 第7週で遂に勇への好意をあらわにし、安子への不満を算太にぶつけてしまう雪衣(岡田結実)という人物像については次のように語る。

「勇への恋心があるので、嫉妬のあまりあらぬことをしてしまうという役どころではあるものの、いわゆる単に“悪い人、嫌な人”ではないという、この繊細な部分を岡田さんが見事な表現力で演じてくださいました」

 また、雪衣がるいにかけた「女手ひとつでるいちゃんを育てることを諦めて、雉真の家にお返ししようと決めたんじゃと思います」という含みのある台詞についても、「るいちゃんを傷つけて不安にさせてやろう、親子の間を引き裂こうという悪い意図を持っているのではなく、思ったことをそのまま答えただけではないかなと思うんです」とした。確かに、算太に安子と共に早く雉真家から出て行った方が良いと口走ってしまったのを勇から咎められると、我に返ったようにすぐさま謝罪を重ねていた。

 そして、何と言っても第7週でさらに存在感を増したのが米軍将校・ロバート(村雨辰剛)だろう。ほとんど演技経験のない村雨の抜擢について堀之内はこう明かす。

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