『ラジエーションハウスII』ラストに学ぶチームワーク 窪田正孝×本田翼の特別な関係
唯織(窪田正孝)と杏(本田翼)は、病院のロビーで小学校時代の同級生だった郷田一平(工藤阿須賀)と再会。しかし一平は突然2人の前で意識を失って倒れてしまう。全身にさまざまな不調が見られ、複数の科を受診していた一平。しかし再検査をしてみても確証の得られる診断を下すことができず、灰島(高嶋政宏)の言いつけで予算回収に追われる各科のドクターたちは匙を投げ、協力を呼びかけようとした杏はすっかり自信を失ってしまう。一方、杏のワシントン留学の話を知った唯織は、それでも杏の夢を応援することを心に決める。そんな唯織を見た裕乃(広瀬アリス)は、杏に一平の病気を見つけることを諦めないよう説得するのである。
12月13日に放送された『ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート~』は最終話(厳密に言えば、1期の時と同様、次週に特別編となるエピソードが用意されているわけだが)。1期のラストで唯織がワシントンに向かうのを杏が見送っていたのと対になるようなかたちで、この2期のラストでは杏がワシントンへ向かうというフィナーレが用意された。
それでも旅立ちを横一列で見送りをするような定番シーンを描くことなく、唯織と杏の子どもの頃の思い出の場所である河原での告白シーンと、ラジエーションハウスのメンバーと杏や辻村(鈴木伸之)が一緒に記念撮影するシーンで幕を下ろす。それはつまり、唯織という人物にフォーカスを当てた個人の物語だった1期とは打って変わり、この2期は唯織と杏の関係やラジエーションハウスのチームワークにフォーカスを当てた物語であったことを証明しているようだ。
今回の劇中で唯織は、杏が自分との小学生時代の記憶を取り戻すことに期待しながらも、一平から杏の兄の事故死が自分を見送った帰り道に起きたことであったと知らされる。そして自分との記憶は思い出したくない記憶が伴うものであると考え、杏から直接訊ねられても否定するようになってしまう。この杏の記憶をめぐるエピソードは、1期の第2話で早々に描かれていたはずだ。兄の事故死によって幼い頃の記憶に完全に蓋をしてしまっていた杏。それを開くカギは他でもない、杏自身の「どんな病気も見つけられるお医者さんになる」という確固たる夢であったわけだ。