一周回って異色作? 『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の安心感

 「マンガやから」で開き直っているザックリした展開と、80~90年代の映画からの直接的な引用、そして『ドラゴンボール』と影山ヒロノブのような関係にあるのか、前作に続いて主題歌に参加しているエミネムさん……こんなに安定感のある映画を観たのも久しぶりな気がする。数々の挑戦的な作品が作られている今のアメコミ映画の中では、一周回って異色作だと言っても良い。この懐かしいノリが逆に新鮮に感じられる人もいるだろうし、私のように脳内で中島みゆきが「まわる まわるよ 時代はまわる~♪」と歌い始める人もいるだろう。期待したことが期待通りに起きる映画であり、「最悪」というキャッチコピーに反して、非常に優等生的なエンターテインメント作品である。

■公開情報
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』
公開中
監督:アンディ・サーキス
脚本:ケリー・マーセル
原案:トム・ハーディ/ケリー・マーセル
出演:トム・ハーディ、ウディ・ハレルソン、ミシェル・ウィリアムズ、ナオミ・ハリス
配給:ソニー・ピクチャーズ
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