『青天を衝け』吉沢亮VS中村芝翫、白熱の長尺シーン 決定的に異なる栄一と弥太郎の思想

 この第34回では、新たに登場した人物がいる。その一人が、芸者見習いの伊藤兼子(大島優子)だ。日本の経済が発展する中、成功する者と没落する者とで格差は広がっていた。兼子は「伊勢八」の名で知られた豪商の娘。家業が大損失を出し挙句の果てに両親が亡くなってしまったことから、やす(木村佳乃)が働く置き屋の門を叩くのだ。まだセリフは何もなく、登場はワンシーンのみだが、まっすぐな目線からは真の強さを感じさせる。やがて千代とも人生を交差させる、重要人物だ。

 そして、もう一人が栄一の娘のうた。幼少期を経て、小野莉奈が演じる青年期へと成長する。今後、渋沢家にとって大きな出来事が起こるが、その意志を受け継ぐ担い手がうたでもある。その素振りからは千代のような芯の強さを持ちながらも、栄一の無邪気さも感じさせる。第34回のラストでは、アメリカ大統領だったグラント将軍の来日を盛大にもてなすため、千代とともにうたも栄一から接待の指名を受けるのだった。

 第35回「栄一、もてなす」では、グラントのもてなしに、よし(成海璃子)、さらには大隈綾子(朝倉あき)や井上武子(愛希れいか)ら政財界の婦人も加わり、西洋式マナーの習得に挑む。グラントは「渋沢家に行きたい」と言い出し、渋沢家ではグラントの歓迎の準備が始まる。

■放送情報
大河ドラマ『青天を衝け』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアムにて、毎週日曜18:00~放送
BS4Kにて、毎週日曜9:00~放送
出演:吉沢亮、小林薫、和久井映見、村川絵梨、藤野涼子、高良健吾、成海璃子、田辺誠一、満島真之介、岡田健史、橋本愛、平泉成、朝加真由美、竹中直人、渡辺いっけい、津田寛治、草なぎ剛、堤真一、木村佳乃、平田満、玉木宏ほか
作:大森美香
制作統括:菓子浩、福岡利武
演出:黒崎博、村橋直樹、渡辺哲也、田中健二
音楽:佐藤直紀
プロデューサー:板垣麻衣子
広報プロデューサー:藤原敬久
写真提供=NHK

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