カール・テオドア・ドライヤー特集上映のポスター&予告編公開 初日は12月25日に決定

 映画作家カール・テオドア・ドライヤー監督の特集上映「奇跡の映画 カール・テオドア・ドライヤー セレクション」の初日が12月25日に決定し、あわせてポスタービジュアルと予告編が公開された。

 1889年2月3日にデンマーク・コペンハーゲンで生まれ、1979年の生涯で長編14作品を発表したカール・テオドア・ドライヤー。ジャン=リュック・ゴダールを筆頭とした世界の巨匠たちからアルノー・デプレシャンら現代の先鋭たちまで多大なる影響を与え、国や世代を超えて今なお敬愛されている。

 本特集は、すべてデジタルリマスタリングされた素材での上映となり、上映作品は、“人間”ジャンヌ・ダルクを描いた無声映画の金字塔的作品『裁かるゝジャンヌ』、魔女狩りが横行した混沌の時代を映し出した衝撃作『怒りの日』、家族の葛藤と信仰の真髄を問い、ヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞した代表作『奇跡』、愛を探し求め続けた一人の女性の姿を完璧な様式美の映像で捉えた遺作にして集大成的作品『ゲアトルーズ』の4作品をラインナップ。

 『裁かるゝジャンヌ』は2015年にフランスのゴーモン社によってデジタル修復された素材によるもので、特集上映「ゴーモン 珠玉のフランス映画史」以来の貴重な上映、『怒りの日』『奇跡』『ゲアトルーズ』においては、新素材での上映は今回が劇場初となる。

 また、映画評論家・蓮實重彦も「古典的であることが奇跡のように前衛性に通じてしまうドライヤーの作品は、どれもこれもが傑作である。あえて一本というなら『奇跡』を挙げようが、彼のすべての作品を見ていなければ、映画について語る資格はないと断言したい」と、コメントを寄せている。

特集上映『カール・テオドア・ドライヤー セレクション』予告編

 公開された予告編では、蓮實のコメントともに、各作品の荘厳で重厚な劇伴にあわせ上映4作品を紹介。ポスタービジュアルは、『裁かるゝジャンヌ』より主人公ジャンヌを演じたルネ・ファルコネッティの物憂げな表情を大胆に配し5色のグラデーションで彩ったビジュアルとなった。

 なお、ポストカードセット付き4回券はシアター・イメージフォーラムにて発売中、11月2 日よりメイジャー・ネット通販でも販売開始となる。

■公開情報
「奇跡の映画 カール・テオドア・ドライヤー セレクション」
12月25日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次開催

『裁かるゝジャンヌ』
監督・脚本・編集:カール・テオドア・ドライヤー
歴史考証:ピエール・シャンピオン
撮影:ルドルフ・マテ
出演:ルネ・ファルコネッティ、アントナン・アルトー
1928年/フランス/モノクロ/スタンダード/ステレオ/97分
伴奏音楽作曲・演奏・録音:カロル・モサコフスキ(オルガン奏者)(2016年)
(c)1928 Gaumont

『怒りの日』
監督・脚本:カール・テオドア・ドライヤー
原作:ハンス・ヴィアス=イェンセン
撮影:カール・アンデルジョン
時代考証:カイ・ウルダル
出演:リスベト・モーヴィン、トーキル・ローセ
1943年/デンマーク/モノクロ/スタンダード/デンマーク語/モノラル/94分
(c)Danish Film Institute

『奇跡』
監督・脚本:カール・テオドア・ドライヤー
原作:カイ・ムンク
撮影:ヘニング・ベンツセン
出演:ヘンリック・マルベア、エーミール・ハス・クリステンセン
1954年/デンマーク/モノクロ/スタンダード/デンマーク語/モノラル/126分
(c)Danish Film Institute

『ゲアトルーズ』
監督・脚本:カール・テオドア・ドライヤー
原作:ヤルマール・セーデルベルイ
舞台美術:カイ・ラーシュ
衣装:ベーリット・ニュキェア
出演:ニーナ・ペンス・ロゼ、ベンツ・ローテ
1964年/デンマーク/モノクロ/ヴィスタ/デンマーク語/モノラル/118分
(c)Danish Film Institute

配給:ザジフィルムズ
公式サイト:http://www.zaziefilms.com/dreyer2021

関連記事