中東の国境地帯を生きる人々の生活を追う ジャンフランコ・ロージ『国境の夜想曲』公開へ
ジャンフランコ・ロージ監督最新作 『Notturno(原題)』が、『国境の夜想曲』の邦題で2022年2月よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開されることが決定した。
本作は、第89回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた前作『海は燃えている〜イタリア最南端の小さな島〜』から5年ぶりとなるロージ監督の最新作。3年以上の歳月をかけて、イラク、クルディスタン、シリア、レバノンの国境地帯で撮影された。これらの地域では2001年の9.11米同時多発テロ、2010年のアラブの春に端を発し、直近ではアメリカのアフガニスタンからの撤退と、現在と地続きで、侵略、圧政、テロリズムにより、数多くの人々が犠牲になっている。そんな場所でロージ監督は通訳を伴わずにひとり旅を敢行し、そこに残された母親や子供、若者の声に耳を傾け続ける。母親たちの死を悼む哀悼歌、癒えることのない痛みを抱えた子供たち、精神病院の患者たちによる政治の無意味さについての演劇。そこには夜の暗闇から、一条の希望を見出し生きようとする者たちの姿があった。
ロージ監督は、「『国境の夜想曲』は光の映画であり、暗闇の映画ではありません。人々の驚くべき、生きる力を物語っています。この映画は戦争の闇に陥った人間への頌歌です。ショパンの“夜想曲”のように、ここでも暗闇は口実であり、生きている者を響かせる機会を与えるものです」とコメントを寄せている。
■公開情報
『国境の夜想曲』
2022年2月、Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
監督・撮影・音響:ジャンフランコ・ロージ
配給:ビターズ・エンド
イタリア・フランス・ドイツ/2020年/100分/16:9/アラビア語・クルド語/原題:Notturno
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