ドウェイン・ジョンソン、ディズニー提訴の意向なしと報道 エミリー・ブラントの見解は?

 映画『ジャングル・クルーズ』が劇場公開と同時にディズニープラスのプレミア アクセスで公開されたことについて、同作で主演を務めたドウェイン・ジョンソンは現状、ディズニーを訴える意向はないと報道されている。

 先日、『ブラック・ウィドウ』のスカーレット・ヨハンソンがディズニーを提訴したことは、多くの人に衝撃を与えた。ヨハンソンの契約では、マーベル映画は劇場でのみ公開され、出演料は劇場の興行収入に応じて報酬を受け取ることになっていたが、ディズニープラスでの収入が含まれていないことを受け、契約再交渉の申し出をしたものの返答がなかったという。また、『クルエラ』のエマ・ストーンも、本作の劇場とディズニープラス配信のハイブリッド公開に関して、同様の訴訟を検討していると言われている。

 ワーナー・ブラザースのような他のスタジオは、ハイブリッド公開による損失を考慮して、俳優の契約を買い取るなどの見直しをしているが、ディズニーは現状、そのような申し出をしていない。

 『ブラック・ウィドウ』と同様の配信となった『ジャングル・クルーズ』だが、Deadlineによると、ジョンソンと『ジャングル・クルーズ』を共同制作した制作会社セブン・バックス・プロダクションは、本作の公開延期による収益の損失についてディズニーを訴えるつもりははないようだと報じている(参考:Disney Pulls ‘Jungle Cruise’ Into Weekend Port With $91.8M In Global B.O. & Disney+ Premier Spend|Deadline)。

 実際に、元WWEのスターであるジョンソンは、東南アジアなどの地域でコロナ感染率が上昇し、特定の市場での劇場公開が不可能となった際に、海外の観客の視聴率を最大化するために、映画公開に関してディズニーと足並みを揃えていく関係にあると主張している。

 『ジャングル・クルーズ』の初日の収益が正確なものであれば、ジョンソンにとっては2018年の『スカイスクレイパー』以来の最高のオープニングとなるため、彼がディズニー側につくのも理解できるだろう。『ジャングル・クルーズ』は、木曜日夜の試写会ですでに270万ドルの興行収入を叩き出しており、公開初日を終えた時点で、推定1,200万ドルから1,300万ドルの収益を見込んでいる。この金額は、ディズニープラスで公開され、初日に770万ドルの収益を出した『クルエラ』を大幅に上回っている。

 しかし、ジョンソンの共演者であるエミリー・ブラントの見解は異なるかもしれない。ブラントは本作のハイブリッド公開に反対し、劇場公開から45日後にParamount+で配信公開された『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』のような配信時期を延期しての公開を好んだと言われている。『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』でブラントと夫のジョン・クラシンスキーは夫婦で監督と主演を務め、パラマウント社が公開期間を短くしたことで、同社に補償を求めたことも話題を呼んだ。そのため、『ジャングル・クルーズ』が公開された週末後の成績が悪ければ、ブラントがディズニーにこの話題をもちかけたとしても、不思議ではない。

 ディズニーのプレミアアクセス公開を巡る騒動はもう少し続くことになるかもしれない。

参照:Dwayne Johnson Not Planning On Suing Disney Over Jungle Cruise Release|SCREENRANT

■公開情報
『ジャングル・クルーズ』
映画館・ディズニープラス プレミア アクセスにて公開中
※プレミア アクセスは追加支払いが必要
監督:ジャウム・コレット=セラ
出演:ドウェイン・ジョンソン、エミリー・ブラント
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン 
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