『TOKYO MER』中条あやみ、迫真の演技で命と向き合う 喜多見が見抜いた比奈の資質
比奈が医者になったのは「人の命を救いたいから」。「当たり前なんですけど、意外と少ないと思うんですよね、ただ純粋に人の命を救いたいって医者は」とは喜多見の弁。最善を尽くしても結果が出ない時、医師である自身を鼓舞するのは目の前で待っている患者の存在だ。勇気を振り絞ってメスを握る比奈には、絶対に患者の命を救うという思いしかなかった。自信を失いかけた比奈は、弱さを見つめるところで立ち止まらずに、自分を信じてくれる患者のために自らの仕事をやりきった。どんな人間が土壇場で力を発揮するかは、外から見ただけではわからない。顔面蒼白で脂汗を浮かべた中条の迫真の演技が、そのことを雄弁に物語っていた。
人の命以上に正しいものなどなくて、今こうしている間にも、全国の病院で懸命に医療活動に従事する医師や看護師がいる。『TOKYO MER』が、目の前の命を救うという明白な論点を前にして常に決断を突きつけられている彼らへの賛歌として響くことを願う。
■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログ/Twitter
■放送情報
日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系)
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:鈴木亮平、賀来賢人、中条あやみ、要潤、小手伸也、 佐野勇斗、佐藤栞里、フォンチー、佐藤寛太、菜々緒、鶴見辰吾、橋本さとし、渡辺真起子、仲里依紗、石田ゆり子
脚本:黒岩勉
プロデューサー:武藤淳、渡辺良介、八木亜未
演出:松木彩、平野俊一
製作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/TokyoMER_tbs/
公式Twitter:@tokyo_mer_tbs