『BARAKAN CINEMA DIARY』第3回『アメイジング・グレイス』配信中!

 リアルサウンド映画部のオリジナルPodcast番組『BARAKAN CINEMA DIARY』にて第3回『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』が配信中だ。

 本番組は、ピーター・バラカンが映画、配信作品について語るトーク番組。聞き手役にライターの黒田隆憲を迎え、作品にまつわる文化的 ・政治的背景、作品で使用されている音楽についてのトークを展開する。

 第3回で取り上げた『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』についてのトークの一部を掲載。

『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』

黒田隆憲(以下、黒田):ところで、バラカンさんは「アリーサ・フランクリン」と呼んでますね。

ピーター・バラカン(以下、バラカン):「アリーサ」。この映画を観ても、お父さんが彼女のことを、「アリーサ」とはっきり言っているから。日本のレコード会社は昔から、英語圏の人たちの名前をローマ字読みにしてしまうということが何回も何回も起きています。一度レコード会社がそれで発表すると、一人歩きしてしまって、みんながそれにならって、同じように書くから、いまだに「アレサ・フランクリン」となっています。名前に関しては、ちゃんと発音することが、その人に対する最低の礼儀というのかな。僕は、少なくとも、「アリーサ・フランクリン」とずっと書いていますし、話しています。

黒田:『ソウルの行方』(アルテスパブリッシング刊)にも、「アリーサ」と書かれていらっしゃいましたよね。なので、今日は僕もアリーサと発音させていただきます。

バラカン:ぜひ。ありがとうございます。

黒田:このアリーサのライブなんですが、バラカンさんはご覧になってどんなふうに思いましたか。

バラカン:すごい期待が、まずあったんですよ。アリーサの「AMAZING GRACE」は昔からものすごく好きなレコードでした。彼女のたくさんあるアルバムの中でも、最高の売り上げを誇っているアルバム。でも、それが、結構不思議なことなんです。というのは、完全にゴスペルの音楽だから。素晴らしいリズムセクションがついていますから、ゴスペルといえども、とても聞きやすいし、リズムにすごく乗っている感じのレコードなんですけど、彼女が歌っているのは、完全に100%ゴスペルの音楽。だから宗教音楽なわけですね。アリーサは、お父さんが有名な牧師さんで、子供の時からずっとどっぷりとゴスペルの世界にいた人なんですが、プロの歌手としては、初期は、ちょっとジャズっぽい、ブルージーな感じのポップミュージックも歌っていたし、アトランティックレコードに移籍した時点で、60年代のソウルミュージックの最盛期だった。その最盛期を築いたのも彼女の貢献がものすごく大きい。ゴスペルフィーリングを持ったソウル歌手と感じている人も多かったと思うんですね。その彼女が、この形で100%ゴスペルのレコードを出すというのは、ちょっと意外だったと思います。それがここまでのヒットアルバムになるというのは、さらに驚くべき事でした………

続きはPodcastでぜひお聞きください!

■配信情報
『BARAKAN CINEMA DIARY』#3
出演:ピーター・バラカン、黒田隆憲
第3回作品:『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』
初回配信:6月17日(木)10時公開
配信メディア:Spotifyほか各種配信サイト
配信はこちら

■公開情報
『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』
Bunkamura ル・シネマほか全国順次公開中
撮影:シドニー・ポラック
映画化プロデューサー:アラン・エリオット
出演:アレサ・フランクリン、ジェームズ・クリーブランド、コーネル・デュプリー(ギター)、チャック・レイニー(ベース)、ケニー・ルーパー(オルガン)、パンチョ・モラレス(パーカッション)、バーナード・パーディー(ドラム)、アレキサンダー・ハミルトン(聖歌隊指揮)ほか
配給:ギャガ
原題:Amazing Grace/2018/アメリカ/英語/カラー/90分/字幕翻訳:風間綾平/2018
(c)Amazing Grace Movie LLC
公式サイト:http://gaga.ne.jp/amazing-grace/

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