ドニー・イェン、『ジョン・ウィック4』出演決定 敵だと思いきやまさかの味方に

 もう誰がこの二人に勝てるのか。今夏からプロダクションが開始される『John Wick: Chapter 4(原題)』(以下、『ジョン・ウィック4』)に、アジアが誇るアクションスター、ドニー・イェンの出演が決定した。

 前作である『ジョン・ウィック:パラベラム』では、全世界の殺し屋のターゲットとなってしまったジョン・ウィック。ラストではエイジア・ケイト・ディロン演じる裁定人との全面対決の末、コンチネンタルの支配人ウィンストン(イアン・マクシェーン)と協議……つまり、彼がジョンを撃ち殺すということで話がついた。ところが、ジョンは生きていて、同じく裁定人の襲撃を受けたバワリー・キング(ローレンス・フィッシュバーン)の助けあって、ともに主席連合への反逆を誓ったところで幕を閉じた。『ジョン・ウィック4』の筋書きはまだ明かされていないが、おそらくこの反逆がメインプロットとなるだろう。

 そこで登場する新メンバー、ドニー・イェンが演じるのは、敵かと思いきや、まさかのジョンの旧友という設定。しかも、彼と同じ歴史や敵を共有する仲だという。『ジョン・ウィック:パラベラム』ではこれでもかというくらい、何人もの殺し屋に命を狙われ生き延びたジョンだが、さすがにドニー・イェンが新たに立ちはだかる敵となれば年貢の納め時となるのに、恐らく主席連合への反撃に伴って再会して共闘という流れになると、連合は戦車を用意しなければ勝てる気がしない。戦車でも不安だ。

 ドニー・イェンは香港出身のアクションコレオグラファーであり、監督であり、俳優であり、武術家として活躍してきた人物。何より映画とキャラクターによってアクションのスタイルを変えることから、彼の動きは「イェン・クンフー」とまで称されるほど。『ジョン・ウィック』シリーズも、もともと『マトリックス』でキアヌ・リーブスのスタントを務めたチャド・スタエルスキが手がけるということで、この二人のケミストリーが期待できる。何を隠そう、スタエルスキが設立した87elevenという会社は、これまで自分を含むハリウッドのアクション映画に雇われるスタントマンたちが個別契約をしていたなか、『マトリックス』のときにともに仕事をしたユエン・ウーピンから、ドニー・イェンも自分の持つチームでアクションを動いていたというのを知って触発されて作られたもの。そんなふうに監督に大きな影響を与えた人物であり、同世代のキアヌとも仲良し(ドニーが57歳、キアヌが56歳)のドニー・イェンが『ジョン・ウィック4』に出演することは、結構感動的なことなのだ。

 監督は彼の出演に関して「彼がシリーズに加わってくれることを本当に幸運に思っています。新登場のキャラを演じる彼とともに仕事をすることが楽しみです」とコメントしている。

 『ジョン・ウィック4』は、シェイ・ハッテンとマイケル・フィンチが脚本を担当し、ベイジル・イヴァニクとエリカ・リーが製作を、キアヌ・リーブスとルイーズ・ロスナーが製作総指揮を務める。ドニー・イェン以外にもイギリスで活躍する日本人ポップシンガー、Rina Sawayamaがメインキャストとして出演することが決定している。フランス、ドイツ、そしてここ日本で撮影されることが明かされており、2022年5月27日全米公開の予定だ。

■アナイス(ANAIS)
映画ライター。幼少期はQueenを聞きながら化石掘りをして過ごした、恐竜とポップカルチャーをこよなく愛するナードなミックス。レビューやコラム、インタビュー記事を執筆する。InstagramTwitter

■作品情報
『ジョン・ウィック:パラベラム』
監督:チャド・スタエルスキ
出演:キアヌ・リーブス、ハル・ベリー、イアン・マクシェーン、ローレンス・フィッシュバーン、マーク・ダカスコス、アンジェリカ・ヒューストン
発売元・販売元:ポニーキャニオン
2019年/アメリカ/R15/原題:John Wick: Chapter 3 – Parabellum
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公式サイト:http://johnwick.jp/

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