片渕須直も絶賛 セザール賞長編アニメーション賞受賞『ジュゼップ 戦場の画家』8月公開へ
2021年のセザール賞で長編アニメーション賞を受賞したアニメーション映画『JOSEP(原題)』が、『ジュゼップ 戦場の画家』の邦題で8月13日より全国順次公開されることが決定した。
セザール賞長編アニメーション賞受賞のほか、第73回カンヌ国際映画祭正式出品、第26回リュミエール賞アニメーション賞&音楽賞、第33回ヨーロッパ映画賞長編アニメーション賞、第11回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル観客賞&国際報道機関賞受賞など、世界各国の映画祭で高く評価された本作。監督を務めたのは、フランスの全国紙「ル・モンド」などでイラストレーターとして活躍してきたオーレル。ジュゼップが収容所で記した鮮烈なスケッチに触発され、自らのペンで伝えたいと駆り立てられたオーレルは、この先人の作品に初めて接したときから、10年の歳月を費やし本作を完成させ、長編アニメーション監督としてデビューを飾った。脚本はロベール・ゲディギャン監督『マルセイユの恋』(1996年) 、『キリマンジャロの雪』(2011年)で知られるジャン=ルイ・ミレシが担当し、製作には『戦場でワルツを』(2008年)のセルジュ・ラルーらが集結した。
収容所に入れられた難民たちは、劣悪な環境のもとで飢えや病気に苦しみ、監視役のフランス人憲兵たちはことあるごとに虐待を加えていった。そんな中、粗末な小屋の壁や地面に黙々と絵を描いているジュゼップ・バルトリという画家がいた。新米の憲兵セルジュは先輩の憲兵たちの目を盗み、ジュゼップに紙と鉛筆を与え、ふたりの間にはいつしか有刺鉄線を越えた友情が芽生える。セルジュはジュゼップがスペイン脱出の際に離ればなれになった婚約者がいたことを知り、再会を夢見る切なる思いに触れ、彼女を探すのを手伝うが……。
あわせて公開された場面写真では、強制収容所でスケッチをするジュゼップ、かつて収容所の憲兵だったセルジュが、孫のヴァランタンと話している場面、収容所で描かれたジュゼップ ・バルトリの力強いスケッチがアニメーションと融合しているシーン、ジュゼップが収容所からメキシコに亡命を果たした後に出会った女性画家フリーダ・カーロの姿、老いてもなお筆を持ち続けるジュゼップ・バルトリと、激動の時代を生き抜いた画家の人生が鮮やかに切り取られている。
また、長編コンペティション部門グランプリと東京都知事賞をW受賞した第8回東京アニメアワードフェスティバルでにおいて、審査員を務め本作を絶賛した片渕須直監督からのコメントも到着した。
コメント
片渕須直(アニメーション映画監督)
時の流れの向こうに残してきた人々。時はどこから来てどこへ流れてゆくのか。それは何かを浄化してくれるのか。それとも、苦しみを苦しさとして残したまま漂うのか。ジュゼップならどう答えてくれるだろう?
■公開情報
『ジュゼップ 戦場の画家』
8月13日(金)、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
監督:オーレル
脚本:ジャン=ルイ・ミレシ
配給:ロングライド
2020年/フランス・スペイン・ベルギー/仏語・カタロニア語・スペイン語・英語/74分/シネマスコープ/カラー/5.1ch/原題:JOSEP/日本語字幕:橋本裕充
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