子供の性と身体の不一致を捉えたドキュメンタリー 『リトル・ガール』11月19日公開決定

 ドキュメンタリー映画『Little Girl』が、『リトル・ガール』の邦題で11月19日に公開されることが決定した。

 サシャは2歳を過ぎた頃から自身の“性別の違和感”を訴えてきたが、学校では女の子としての登録が認められず、“男子”からも“女子”からも疎外、バレエ教室では男の子の衣装を着せられてしまうなど、社会は彼女を他の子どもと同じように扱えずにいた。やがて7歳になってもありのままに生きることができない、不自由なサシャ。家族は、そんな彼女の個性を支え、周囲に受け入れさせるため、学校や周囲へ働きかけるのだが......。

 本作の監督を務めたのは、これまでもジェンダーやセクシュアリティに目を向けた作品を撮り続け、カンヌやベルリンをはじめ、世界中の映画祭で高く評価されているセバスチャン・リフシッツ。性と身体の不一致は肉体が成⻑する思春期に起こるのではなく、幼少期で自覚されることについて取材を始めていた過程で、サシャの母親カリーヌに出会い、この作品が生まれた。

 第70回ベルリン国際映画祭で上映後、モントリオール国際ドキュメンタリー映画祭のピープルズ・チョイス賞やインサイド・アウトLGBT映画祭の観客賞(ドキュメンタリー⻑編)など、世界中で様々な映画賞を受賞した本作。コロナウイルス感染の影響により劇場が封鎖されたフランスでは、同年12月にTV局ARTEにて放送され、視聴者数137.5万人、その年のドキュメンタリーとしては最高視聴率(5.7%)を記録、オンラインでも28万回以上の再生数を記録するなど大きな反響を呼んだ。また、昨年開催された第33回東京国際映画祭ではユース部門に正式出品された。

 あわせて場面写真も公開。一番“自分らしくいられる”洋服を着て庭で幸せそうにダンスするサシャや、お気に入りのピンクのヘアクリップをつけている姿、母親と過ごす優しい時間、そしてバレエ教室で女の子用の衣装を着用させてもらえず、少し切なげに女の子たち
を見つめるシーンなど、いずれもまだ幼くても“本当の自分”であろうとする意志を感じる瞬間を切り取ったものとなっている。

■公開情報
『リトル・ガール』
11月19日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督:セバスチャン・リフシッツ
配給:サンリスフィルム
2020年/カラー/フランス/フランス語/85分/原題:Petite fille/英題:Little Girl/字幕翻訳:橋本裕充/字幕協力:東京国際映画祭
公式サイト:https://senlisfilms.jp/littlegirl
公式Twitter:@petitefille_jp
公式Instagram:@senlisfilms
公式Facebook:@senlisfilms 

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