『コタローは1人暮らし』のコタローが愛おしい 山本舞香×生瀬勝久の溺愛ぶりは定番に?

 コタロー(川原瑛都)が初めて笑顔を見せ、初めて人を頼った。初めて、5歳の子どもの顔をのぞかせた『コタローは1人暮らし』(テレビ朝日系)第2話だった。

 膝小僧を擦りむいたコタロー。しみることを承知の上、自分で消毒をしたのだと、褒めてほしそうに隣人の狩野(横山裕)の部屋を訪れた。初めての消毒が、自分にとっていかにすごいことであるかを語るコタローだが、編集者・福野(大倉孝二)のダメ出しと腰の痛みでややそれどころではない狩野は、思わず「誰かに頼んだりすればよかっただろ」と言ってしまう。「誰に?」と返したコタローに言葉を濁した狩野だったが、その後コタローに湿布を貼ってもらうシーンが印象的だった。

 コタローがひとりで傷を処置できるように、狩野だってひとりで湿布を貼ることはできるだろう。けれど、狩野は遠慮せずコタローに頼る。無意識なのかもしれないが、人と人とは助け合うものだということを、狩野がコタローに示しているようにも思えた。湿布のお礼として絆創膏に描いた“とのさまん”の絵に、コタローが初めて見せた笑顔。狩野も嬉しそうだ。

 そして「アパートの清水」にまたひとり、コタローを守る大人が増えた。少々、コワモテの男・田丸(生瀬勝久)だ。コタローの顔を見るやいなや、しゃがんで目線を合わせて話す姿に、子ども好きが表れている。

 頬に触れたい、近付きたいのにコタローに警戒される田丸に対し「こいつたぶん、スキンシップに慣れてないんだと思います」と、怯えながらフォローを入れた狩野。そこに気付くということは、親がいないという狩野もまた、同じくだったのだろうか。

 「わらわはおぬしの子どもの代わりか」「嘘のものなど嬉しくない」と、コタローからぬいぐるみを返された田丸。田丸の気持ちもコタローの意思も、どちらも間違いではないからこそ考えさせられるシーンだった。こうした思いのすれ違いは、よくあることだ。コタローを傷つけ情けないと嘆く田丸は、決してダメではない、正しく優しい大人だと思った。

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