『まめ夫』坂元裕二×松たか子も 脚本家と俳優の“黄金タッグ”ならではの化学反応を探る

 森下佳子×綾瀬はるかのタッグは2004年『世界の中心で、愛をさけぶ』(TBS系)に始まり、2006年『白夜行』(TBS系)、2009年・2011年『JIN-仁-』(TBS系)、2018年『義母と娘のブルース』(TBS系)など、どれも双方の代表作となった作品ばかり。脚本協力などを合わせると7度目になるが、森下の完全オリジナル作は今回が初めてだ。

『奥様は、取り扱い注意』(c)2020映画「奥様は、取り扱い注意」製作委員会 

 森下作品が終わるごとに“国民的俳優”への階段を上がっていくのと同時に、綾瀬の王道なイメージも揺るがないものになっていた。映画化もされた『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)では特殊工作員という珍しい役を演じているものの“キュートな綾瀬はるか”の範疇を出ず、むしろそのキュートさと本格的なアクションのギャップを楽しむ作品だ。放送前は綾瀬と“サイコパス”が結び付かずにいたが、物語をリードしていた高橋へ呼応するようにダークな顔が覚醒。長年タッグを組んできた森下が描く最高の舞台で、綾瀬は新しい魅力を開花させたのである。

 これからの黄金タッグとして期待しているのが水橋文美江×松下洸平だ。戸田恵梨香をヒロインに迎えた2019年下半期の朝ドラ『スカーレット』(NHK総合)で彗星の如く現れたのが、十代田八郎に抜擢された松下だった。信作(林遣都)や圭介(溝端淳平)などヒロインの夫になり得る男性は他にもいたが、八郎は瞬く間にヒロインと視聴者の心を掴み、その現象は“八郎沼”という言葉まで誕生させた。

 朝ドラ視聴者が松下の“その後”を気にする中、『MIU404』(TBS系)や『東京タラレバ娘2020』(日本テレビ系)など話題作へのゲスト出演がつづく。なんと満を持して決まった朝ドラ後初の民放連続ドラマのレギュラーは、同じく水橋作の『#リモラブ~普通の恋は邪道~』(日本テレビ系)だった。水橋にとっても朝ドラ後初の連続ドラマとなり、1年足らずの異例の速さで再タッグが実現。八郎と同じく“好青年”がベースにあるものの、『#リモラブ』で演じた青林は恋に不器用で、掴みどころのない三枚目な表情も覗かせていた。

 『透明なゆりかご』(NHK総合)の安達奈緒子×清原果耶による朝ドラ『おかえりモネ』(NHK総合)にも期待が高まる。過去作を頭の隅に浮かべながら、黄金タッグによる新しい景色を楽しみたい。

■明日菜子
毎クール必ず20本以上は視聴するドラマ好き。Twitter

■放送情報
『大豆田とわ子と三人の元夫』
カンテレ・フジテレビ系にて、4月13日(火)スタート 毎週火曜21:00〜放送
※初回15分拡大
出演:松たか子、岡田将生、角田晃広(東京03)、松田龍平、市川実日子、高橋メアリージュン、弓削智久、平埜生成、穂志もえか、楽駆、豊嶋花、石橋静河、石橋菜津美、瀧内公美、近藤芳正、岩松了ほか
脚本:坂元裕二
演出:中江和仁、池田千尋、瀧悠輔
プロデュース:佐野亜裕美
音楽:坂東祐大
制作協力:カズモ
制作著作:カンテレ
(c)カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/mameo/
公式Twitter:@omamedatowako

関連記事