『珈琲いかがでしょう』の丁寧かつ誠実な仕事ぶり 2021年の春にこそ味わいたいドラマに

 中村倫也主演ドラマ『珈琲いかがでしょう』(テレビ東京系)が、4月5日からスタートした。原作は、2014年から2015年にかけて連載された、コナリミサトの同名漫画。かねてより、主人公・青山一のビジュアル、言動が「中村倫也にそっくり」という声が上がっており、いつか中村主演で実写化を……というファンの夢が叶った形になる。

作り手の「丁寧に、誠実に」が見えるドラマ

 中村自身もオファーを受けたときの感想を問われた際、そうした声が届いていたことを明かしており、「“おまたせしました“と言ったところでしょうか」「これで僕以外の役者が演じていたら何よりもまず僕が文句を言っていたと思うので、良かったなと思います(笑)」と視聴者とキャストが相思相愛なところからスタートしているドラマだ(参考:『コーヒーいかがでしょう』公式サイト)。

 中村は、2019年7月クールのドラマ『凪のお暇』(TBS系)で、目の前の人に優しく“来るもの拒まず”なゆるふわキャラのゴン役を演じたことでも大きな話題に。コナリミサト作品との相性の良さは誰もが認めるところ。インタビューでも中村は「青山のセリフに共感するところが多々ある」と話しており、きっと適役になること間違いなしだ(参考:ドラマ『コーヒーいかがでしょう』インタビュー|Astage)。

 また、本作で脚本・監督を務めるのは、映画『かもめ食堂』『めがね』などで知られる荻上直子。スーッと繊細なラインを描いて注がれるお湯。それ含んでもこもこと膨らんでいく珈琲豆。画面越しに思わず匂いを吸い込みたくなる映像は「荻上ワールド」の真骨頂。第1話「人情珈琲」で描かれた「丁寧に、誠実に」を、地で行く画作りだ。

 物語の流れとしては原作を再現しつつも、テレビドラマオリジナルな要素も。垣根志麻(夏帆)と後輩OLの馬場(足立梨花)が歩み寄るシーンや、「死にたがり珈琲」の早野美咲(貫地谷しほり)の鬱々とした日々のシーンが追加されるなど、ストーリーに奥行きをプラス。まさに同じ珈琲豆でも、様々な飲み方が楽しめるように。原作の良さを抽出しながら、「実写化テレビドラマ」をオーダーしたファンが納得する味に仕上がっている。

 さらに、オープニングテーマ「エル・フエゴ(ザ・炎)」を手掛けるのは小沢健二。オファーをもらう前に書き上げたというこの曲は、本人も驚くほど「怖いくらいテーマが似ている」そう。どう似ているのかは、ドラマを見進めてのお楽しみだと言い、さらに「オープニングテーマの形を(おそらく毎回)変えていこうと思っています」という粋な宣言も。こちらも「見ている人はちゃんと見てくれてますから、大丈夫ですよ」という青山のセリフ通り、丁寧かつ誠実な仕事ぶりを堪能できそうだ。