乃木坂46×櫻坂46×日向坂46による本格ミステリードラマ　『ボーダレス』の注目ポイント解説

　最後は、3グループの中では末っ子的立ち位置の日向坂46。もともとは欅坂46の妹分的存在の“けやき坂46（通称：ひらがなけやき）”として誕生し、2019年2月に現在の日向坂46へと改名し独立。お笑いコンビ・オードリーとの冠番組『日向坂で会いましょう』（テレビ東京）で鍛え上げられたコメディエンヌとしての実力はもちろんのこと、演技方面でも舞台『あゆみ』（2018年）やテレビドラマ『Re:Mind』（2017年／テレビ東京系）、『DASADA』（2020年／日本テレビ）などで個々に才能を開花させている。さらに、ファッションモデルや女優、スポーツ番組での解説など多方面で活躍するメンバーも少なくない。

　齊藤は上記の舞台やドラマに加え、『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』（2018年）、『ザンビ』（2018年）といった舞台にも出演。2019年には乃木坂46の秋元真夏とのダブルキャストで、舞台『サザエさん』にて藤原紀香、高橋恵子、松平健らとも共演している。今回彼女が演じる片山希莉は、非常にミステリアスな役柄で、第1話では森田演じる奈緒に対して取る行動が大きな見どころとなっている。

　一方で、濱岸は齊藤と比べると演技経験は浅く、昨年放送の『DASADA』も撮影が休業期間と重なったことから出演しておらず、本格的なドラマ出演はこれが初となる。特に今回彼女が演じる八辻圭は幼少期の事故の後遺症で視力が弱いという、非常に難易度の高い役柄だ。姉の八辻芭留を演じる渡邉とのやりとり含め、その演技に注目だ。

　さらに、坂道メンバーの好演ぶりをサポートする共演者たちも、豪華の一言。国生さゆりや手塚とおる、濱津隆之、宮川一朗太、紺野彩夏、近藤雄介、阿部力、陽月華、アキラ100％、粟田麗、押田岳、尾崎明日香、休日課長など個性的なキャストが顔を並べる。それぞれどのような役で登場するかは、ぜひオンエアで確認してほしい。

　しっかり練り込まれた原作がどのように映像化されるのか。そして、平凡な日常が狂気を帯びつつ変化していく様を、坂道グループのメンバーがどのように表現するのか。「アイドル中心のドラマ」という偏見抜きに、彼女たちが自然体かつ真剣に向き合った演技を存分に楽しんでもらいたい。

■西廣智一（にしびろともかず）
音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。

■放送情報
ひかりTVオリジナルドラマ『ボーダレス』
ひかりTV、ひかりTV for docomo、dTVチャンネルにて、3月7日（日）23:00〜配信
出演：森田ひかる（櫻坂46）、齊藤京子（日向坂46）、渡邉理佐（櫻坂46）、濱岸ひより（日向坂46）、小林由依（櫻坂46）、早川聖来（乃木坂46）、遠藤さくら（乃木坂46）、国生さゆり、手塚とおる、濱津隆之、宮川一朗太、紺野彩夏、近藤雄介、阿部力、陽月華、アキラ100％、粟田麗、押田岳、尾崎明日香、休日課長ほか
原作：誉田哲也『ボーダレス』（光文社文庫）
総合演出：金井紘
脚本：伊達さん（大人のカフェ）、森田剛行、桑島憲司
主題歌：Thinking Dogs 「はじまりのピリオド」
(c)ひかりTV
公式サイト：https://www.hikaritv.net/borderless
公式Twitter：@borderless_03