人魚と男のファンタジックな恋愛物語 『マーメイド・イン・パリ』で取り戻す心のときめき

 テーマパークやミュージカルのようにキラキラとしたものに心惹かれるあなたに、ぜひ観ていただきたい映画がある。それは、2月11日に公開される映画『マーメイド・イン・パリ』だ。

 物語の舞台は、恋の都・パリ。セーヌ川のほとりにある老舗のバーでパフォーマーとして働くガスパールが、打ち上げられた人魚・ルラを見つけるところから始まるラブストーリーだ。

 「人魚と人間の恋ならば、小さいころ絵本で読んだよ」という人も少なくないだろう。しかし、本作はあのころに読んだ物語よりも、ちょっぴりビターで繊細だ。つまり“大人の”人魚姫と呼ぶにふさわしい作品だ。

恋を捨てた男・ガスパールだから出会えた恋

 私たちの知る『人魚姫』と本作が大きく異なるのは、人魚・ルラに恋をした男性はみんな命を落としてしまうということ。ルラは、ギリシャ神話に登場する“セイレーン“のように、美しい歌声で男たちを誘惑して命を奪ってきたというのだ。

 誰もが一度聞いたら、恋をせずにはいられない歌声。しかし恋をすると同時に、心臓が壊れて命を落とす……。そのはずだったが、ルラを目の前にしたガスパールにはなぜかまったく効かない。それは、ガスパールが恋を捨てた男、すでに心が壊れていた男だったからだ。ガスパールは自宅のバスタブにルラを保護し、ケガが治るように看病を続ける。もう恋なんてしない。そう思っていたガスパールだからこそ、ルラと同じ時間を過ごせる。ところが歌を愛するガスパールにとって、やはりルラの歌声は魅力的で、少しずつ惹かれていくことになる。もちろん恋をすれば待っているのは死。だが、障害がある恋こそより心がときめいてしまう。そのジレンマが、切なくてもどかしい。

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