上白石萌音、人気の理由は“身近さ”にあり!? 『恋つづ』に続き『ボス恋』でさらなるヒロイン街道へ

 TBS新火曜ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(以下『ボス恋』)でヒロインを務める上白石萌音。『恋はつづくよどこまでも』(TBS系、以下『恋つづ』)で新米看護師・佐倉七瀬役として佐藤健との一大恋愛を演じ、一役スターダムに躍り出た彼女だが、再びの恋愛ドラマのヒロインとなる。

 今もっとも好感度の高い女優の一人にも思える上白石。昨年は、『恋つづ』での「勇者」のように恋に仕事に懸命に立ち向かう新米看護師を演じ、その奮闘する姿が視聴者の心を掴み、「Yahoo!検索大賞2020」女優部門賞に選ばれるなど、もはや名実ともにブレイクを果たしたとみていいだろう。

 2011年の第7回『東宝「シンデレラ」オーディション』で審査員特別賞を受賞し、NHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』で上白石がドラマデビューしてからもう10年が経とうとしている。2012年にはミュージカル『王様と私』で初舞台を踏み、ミュージカル女優としても数多くに出演。その流れから、映画初主演を務めた2014年公開のミュージカル映画『舞妓はレディ』は、地方出身の少女が、京都の花街で舞妓を目指す成長物語。周防正行監督から「平成のオードリー・ヘップバーン」と称されるほどの、純情な女の子が一生懸命頑張る姿を健気に演じる演技力だけでなく、その伸びやかな歌唱力にも注目を集め、第38回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。そして2017年に大ヒットアニメ映画『君の名は。』のヒロインの声を担当して世間の注目を浴び、声優アワード主演女優賞を受賞するなど、歌に芝居に声優と、まさにエンターテイナーと言える活躍ぶりで、『恋つづ』がヒットする前から確かな評価を得ている。

 上白石の魅力は、まず普通の女の子のような愛嬌と親しみやすさだろう。『恋つづ』では、魔王と呼ばれるほど超ドSの医師・天堂浬(佐藤健)に一途な恋を貫き、必死にぶつかっていく姿が実に健気。本来こうした100%全力キャラはあざとく悪目立ちしてしまいがちだが、上白石の嫌味のない天性のキャラクターがあるからこそ、視聴者が応援したくなるヒロインというキャラの体現ができた。

 佐倉七瀬は、一生懸命なだけにミスが多かったり、周りが見えていなかったり、他人に迷惑をかけないよう問題を自分で解決しようとするなど放っておけないというキャラクター。天堂が心配になって自分が守らなければと思うようになっていき、佐藤健の格好良さとツンデレのかわいさがどんどん引き出されていく。相手役を光らせるのも上白石の魅力の一つだろう。癒しキャラの上白石と、ドSキャラの佐藤のバランスが絶妙だったのも大きい。キャラクターのみならず、女優としても相手を受け止める対応力が、上白石のヒロイン力の最大の要因なのかもしれない。

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