『35歳の少女』最終回は噛み締めたい金言の数々が King Gnu「三文小説」が染み込むラストに

 ラストには笑顔の望美の顔に映し出される「36歳の少女」という文字。1年間という短い月日の中で描かれていた物語だったことを伝えながら、主題歌となったKing Gnu「三文小説」〈怯えなくていいんだよ そのままの君で良いんだよ 増えた皺の数を隣で数えながら〉のフレーズが強烈に頭に浮かんだ。遊川和彦作品として、『過保護のカホコ』(日本テレビ系/2017年)の星野源「Family Song」、『同期のサクラ』(日本テレビ系/2019年)の森山直太朗「さくら(二〇一九)」に続く、ワンクールを通して物語と共に大きな意味を持った1曲だった。

 途方のない絶望の物語から始まった『35歳の少女』は、夢を叶え幸せを願いながら生きる望美たちの姿で幕を閉じた。望美が口にしていたのは、私たちは英雄なんかではなく普通の人間であるということ。望美のようなドラマティックな人生を描くことは難しいかもしれないが、結人のように過去の自分から脱却するチャンスは誰にでもある。自分を信じ、諦めないこと。そうすれば、とんぼは必ず飛んできてくれる。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
『35歳の少女』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜22:54放送
出演:柴咲コウ、坂口健太郎、橋本愛、田中哲司、富田靖子、竜星涼、鈴木保奈美、細田善彦、大友花恋
脚本:遊川和彦
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:大平太、諸田景子
演出:猪股隆一ほか
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/shojo35/
公式Twitter:@shojo35

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