タラレバ娘が見つけた、ライフハック 別れ道が増える“女の30代”をどう生きるか

 しかし、そんなことを言ってられない事態が待っていた。なんと倫子の結婚は、逆『卒業』(ダスティン・ホフマン主演映画)パターンで、新郎の元カノに持ち逃げされて破断に。小雪が「第3出動」で招集するも、倫子と香はお互いの余裕のなさゆえに大喧嘩に発展。虚しさを抱えた小雪は、マッチングアプリで出会った男性と何かが始まればと期待して一夜を共にするも、「何してんだろ」状態に……。

 1つうまくいくとトントン拍子にことが進み、人生ハッピーモードに突入! しかし、1つうまくいかなくなると、次々とネガティブブラックホールへと吸い込まれるあの感じ。きっと30代の女性ならば、「あるある」と共感せずにはいられないはずだ。だがブラックホールの中に、ずっといるわけにもいかない。八つ当たりしても自己嫌悪に陥るだけ。堕ちるところまで落ちたら自分で立ち上がらなければ。なぜなら「女子会だ」とは言いながらも、私たちはちゃんと大人の女だとわかっているから。

 口グセを「〜タラ、〜レバ」を「〜から」に変えていこう。それは、作中で倫子が披露したライフハックともいえる気づき。「そんな言葉尻一つで……」と思われるかもしれないが、人は言葉で絶望したり希望を持ったりする生き物だ。1つの言葉を変えただけで、そこからトントンとハッピーモードへ突入することだって十分ありうる。

 「タラレバ」を使わないポイントは、ネガティブの要因を過去に探すのをやめるということ。そのためにも、1つひとつの選択を後悔しないことが大切だと改めて感じる。自分が全力で考えて決めたことなら、たとえそれが望み通りの展開にならなかったとしても、「あーしてタラ」「こーしてレバ」と他の選択肢を思い浮かべて悶えることはしない。過去に戻ったとしても、その選択を必ずしたといえるものであれば。

 「あの経験があったから」「この出会いがあったから」「あなたがいてくれたから」「私が決めたから」……今の自分がある。そんなふうに生きていこう。これまで以上に明日が見えない時代だからこそ、ネガティブブラックホールを抜けるための手段は、なるべく多く用意しておいたほうがいい。

 ピンチのときに「出動命令」が出せる人とのつながりを大切にするのはもちろんのこと。先述したように、女性の30代は歩む道が大きく分かれるときがある。ましてや、このご時世でもある。だから1人でできることもどんどん試したほうがいい。口グセを変えるほかにも、Web上で味方を探してみたり、夢をいくつも持っておくことも素敵だ。数年後の自分に「あのときの私、よくやった」と言わせる選択をしてやろうではないか。そして、またいつか『東京タラレバ娘20XX』の「出動命令」がかかることを楽しみにしながら。

■放送情報
スペシャルドラマ『東京タラレバ娘2020』
出演:吉高由里子、榮倉奈々、大島優子、坂口健太郎、平岡祐太、石川恋、加藤諒、あ〜ちゃん(Perfume)、松下洸平、渡辺大知、金田明夫、田中圭、鈴木亮平
原作:東村アキコ『東京タラレバ娘』(講談社『Kiss』連載)
脚本:松田裕子
音楽:菅野祐悟
主題歌:「TOKYO GIRL」Perfume(ユニバーサルJ/Perfume Records)
チーフプロデューサー:加藤正俊
プロデューサー:鈴木香織(AXON)
演出:鈴木勇馬
制作協力:AXON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ

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