『麒麟がくる』向井理、足利義輝として強さと儚さを体現 光秀との対峙は作品屈指の名シーンに

 越前で牢人として暮らしていた光秀は、将軍家の力を取り戻すため、勢いのある織田信長の力を使おうと奔走することになる。実直で決して世渡り上手とは言えない光秀に対しては、理想とする新しい世をつくるために思いを共有できる相手として一目置いていた義輝。立場の違いもあり、光秀も多くを語らず、状況だけを見れば将軍の言葉を一方的に受けているだけとも取れる。しかし、世をどうにかしたいという2人の心が通い合っていることが確かに伝わってきた。

 「初めての共演でしたので、役柄の立場はありますが、こちらが色々と吸収できればと思っていました。長谷川さんとのシーンは私が話すことが多く、長谷川さんはそれに対してリアクションする事が多かったです。リアクションはとても難しく、一つのリアクションでシーンが左右されます。それをとても丁寧に演じておられて、とても助かりました」と向井が長谷川との共演についてコメントしているように、互いを信頼し役を十分に理解している2人だからこそ、説得力ある名シーンになったのだろう。

 第23回「義輝、夏の終わりに」のタイトルの通り、義輝に不穏な影が近づいている。史実では無念の死を遂げる義輝だが、『麒麟がくる』では彼の最期をどのように描くのか。そして、向井は義輝として最後に何を見せてくれるか。

■池沢奈々見
恋愛ライター。コラムニスト。

■放送情報
大河ドラマ『麒麟がくる』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送
BSプレミアムにて、毎週日曜18:00〜放送
BS4Kにて、毎週日曜9:00〜放送
主演:長谷川博己
作:池端俊策
語り:市川海老蔵
音楽:ジョン・グラム
制作統括:落合将、藤並英樹
プロデューサー:中野亮平
演出:大原拓、一色隆司、佐々木善春、深川貴志
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/kirin/
公式Twitter:@nhk_kirin

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