『MIU404』に“最終回ならではの仕掛け”? 新井順子P「今このタイミングならではのラスト」

 『MIU404』(TBS系)が、ついに最終回を迎える。伊吹&志摩(綾野剛、星野源)のバディを中心に、魅力的な4機捜のキャラクターによる軽妙な会話劇。なかなか「キャッキャ、ウフフ」とならない展開を微笑ましく思いながらも、物語の軸は現代社会の裏表をあぶり出す骨太なものに。

 煽り運転、パワハラ、マネーロンダリング、外国人留学生を取り巻く厳しい環境、ホームを失った少年少女たち、罪を裁く法の限界、善意によるSNS拡散の危うさとフェイクニュース……。各話のエピソードは、私たちが生きる現実の今この瞬間にも、どこかで繰り広げられている。そう実感せずにはいられないリアリティがあった。

 日々の一つひとつの些細な選択が、振り返れば大きな人生の分岐点になっている。誰かと交わすやりとりが、よりよい人生へと導くスイッチになる。そう訴えかける濃厚な時間を届けてきた『MIU404』が、どんな幕引きを見せてくれるのか。最終回を目前に控えた新井順子プロデューサー(以下、新井P)が、最終話の撮影・編集の合間をぬって見どころについて語ってくれた。

「主軸となるのは“見えない敵”との戦いです。視聴者の方には久住がどんな顔をしているのか見えていますが、4機捜のメンバーにはまだわかっていないわけで。姿形が掴めないものと、どう戦えばいいのか、模索する姿が展開されます。また、そんな見えない久住を追う中で、伊吹と志摩にも試練が訪れます。その試練は見ている私たちにも……。いやー、難しいですね、何を言ってもネタバレになりそうで(笑)。スタッフが初めて台本を読んだときに、“うわ! マジか!?”ってなっていたので、きっと視聴者のみなさんもオンエアを観て、そんな感覚になるのではないかと、楽しみにしています」

 脚本家・野木亜紀子×監督・塚原あゆ子×プロデューサー・新井順子という、『アンナチュラル』(TBS系)チームということでも話題を集めた本作。『アンナチュラル』のある世界線との繋がりがファンを喜ばせた。

「最初から『アンナチュラル』を出すために、『MIU404』の話を考えたわけではなかったんですが、3話を作っているときに所轄から応援要請がくる形になったので、“なら、あの人たちがいるじゃん!”みたいに繋がった感じです」

 第1話から描かれてきたシーンやセリフが、クライマックスにむけて鮮やかに伏線が回収されていく展開も大きな魅力。議論を醸し出している、2019年設定については?

「2019年設定なのは、1話にもあったように、働き方改革をきっかけに4機捜が生まれるという流れからです。もともと2019年の働き方改革から始まって、2020年の東京オリンピック前までの時間軸で話を作ろうとスタートしたものだったので。でも、2020年になって世の中が想像していなかった形に変わってしまった。放送開始の時期も、当初予定していた話数も変更せざるを得なかったので、改めて練り直して今このタイミングならではのラストになりました」

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