『BG』は木村拓哉の『HERO』に続く代表シリーズへ 最終回はコロナ禍を受け止めた物語に

 組織から個人のボディーガードになった以外に、シーズン2で印象的に描かれていたのは、父としての姿と愛する人への思い。気取らない嘘のない人・笠松(市川実日子)との恋路は、互いに両思いの関係ながら“回る方のお寿司”、島崎を一生縛ることはできないと進展なしということに落ち着いた。けれど、2人の思いが受話器越しに理解し合う瞬間、島崎がニヤリとほくそ笑み、敬語からタメ口になるシーンは、これまで描かれてこなかった彼の一面だった。ラストの高梨とのバディ復活の場面もそう。息のあったセリフ回し、さらに高梨が無線のスイッチを4回押す音に対してデスクを4回叩く島崎。2人のこれからの行く末を含め、まだまだ『BG』には観たい彼らの余白がある。どんな形であれ、再びこの『BG』チームが再集結することを願いたい。

 最後に。高梨が言った「いずれにしても、こんな状況だから……。だからこそ人の役に立つ仕事もできるはずだ」というセリフ。ラストに映し出された「世界は、わずか一夜で激変する。それに立ち向かうのはスキルを持ったプロフェッショナル。今こそ、護る人間が求められている」というメッセージは、このコロナ禍に生まれたドラマとしての宿命のステートメントのように感じた。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
『BG~身辺警護人~』第2シリーズ
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00〜放送
出演:木村拓哉、斎藤工、菜々緒、間宮祥太朗、道枝駿佑(なにわ男子/関西ジャニーズJr.)、市川実日子、勝村政信、仲村トオル
脚本:井上由美子
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:川島誠史(テレビ朝日)、秋山貴人(テレビ朝日)、浜田壮瑛(テレビ朝日)、山本喜彦(MMJ)、田上リサ(MMJ)
音楽:高見優
監督:常廣丈太(テレビ朝日)、七髙剛
制作協力:MMJ
制作著作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日

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