『エール』中村蒼、自身と“真逆”の鉄男を熱演 入山法子との切ない恋物語に終止符

 5月25日に東京都の緊急事態宣言がようやく解除され、“朝ドラ受け”を担当する情報番組『あさイチ』(NHK総合)に出演した中村蒼。『洞窟おじさん』(2015年)や『赤ひげ』シリーズ(2017年)など、個性的な役柄をこなしてきた中村は、鉄男役を演じているNHK連続テレビ小説『エール』の共演者・山崎育三郎から「とにかく大人しくて無口」だと素顔を明かされた。そんな中村とは真逆の性格である、鉄男の切ない恋が描かれた第9週「東京恋物語」。

 恋の相手、希穂子(入山法子)が鉄男に黙って福島を去った理由。それは、鉄男が務める新聞社の堂林社長(斉木しげる)が鉄男に恋する娘・仁美(春花)のため、希穂子に手切れ金を渡したからだった。自分が断れば鉄男が会社をクビになってしまう、そんな状況でお金を受け取った希穂子。真相を知った音(二階堂ふみ)は、裕一(窪田正孝)のレコード発売記念パーティーに彼女を誘う。

 パーティー当日、希穂子はお祝いの洋酒を持って現れる。鉄男に謝罪し、立ち去ろうとする希穂子に、久志(山崎育三郎)は鉄男が作詞した「福島行進曲」を聴かせた。鉄男のモデルとなった野村敏夫が作詞し、裕一がメロディーをつけた同楽曲には、こんな一節がある。

<柳並木に灯がともりゃ/泣いて別れる人もある>

 地方小唄と同時に、恋の歌でもある『福島行進曲』。貧しい家に育ち、幼少期に苦労した鉄男は、「世の中捨てたもんじゃない」と思わせてくれた心優しい希穂子に惹かれた。そんな希穂子が時折、人のために嘘をつくことも鉄男は知っていたのだ。

「俺と一緒に生きてくれないか」

 一世一代のプロポーズをした鉄男に、希穂子は涙を浮かべながら、違う人と結婚することになったと別れを告げた。すべては鉄男のための嘘。きっと鉄男もそれが優しい嘘だと分かっていただろう。けれど、運命は「椿姫」のヴィオレッタとアルフレードのように、鉄男と希穂子を切り裂いた。恋の機微を学んだ音は、別れた二人の関係を思いながら「鷹ノ塚記念公演」の最終選考に臨む。アルフレードを愛するが故に、自分の心に嘘をついたヴィオレッタの姿が希穂子と重なった。涙を流して、歌に感情を込める音。そんな彼女の歌声に、審査員の学長や双浦環(柴咲コウ)も聴き入る。イタリアから歌の先生を呼び寄せ、万全を期したライバルの千鶴子(小南満佑子)も動揺を隠せなかった。

関連記事