しかし第六夜では、ついに春子に「僕にはあなたが必要なんです」と気持ちを伝える。この言葉は表面的には、もうすぐ派遣社員としての契約が切れてしまう春子と今後も「ハケン弁当」の企画を共に進めて行きたいという思いから飛び出した言葉である。しかし、里中は第五夜で東海林に、春子が好きだという気持ちを吐露していた。つまりこの言葉は、里中の心の奥底にある春子への恋心を感じさせるものでもあるのだ。今まで頼りない姿ばかりであった里中が意を決して春子に気持ちを伝えた重要なシーンであり、奇しくも春子にとってのポリシーである「契約は更新しない」に反する願いとなってしまった。春子と東海林と里中の三角関係の行方を見届けたい。

　次週はいよいよ『春子の物語 ハケンの品格2007特別編』も最終回を迎える。『ハケンの品格』（第2シーズン）の放送に先駆けて“予習”となった本作は、新シリーズへの助走として大前春子の魅力を強く放っただろう。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
『春子の物語 ハケンの品格 2007 特別編 第七夜』
日本テレビ系にて、5月27日（水）22:00～23:00
出演：篠原涼子、小泉孝太郎、大泉洋、勝地涼、上地雄輔ほか
製作著作：日本テレビ
(c)日本テレビ