2020年新春特別企画

吉沢亮が語る、プレッシャーを乗り越える原動力と2020年の抱負 「まだ守ってる場合じゃない」

「好きなことをして、1回全部忘れちゃうのは大事」


ーー役者をやる上で刺激になっている存在はいますか?

吉沢:やっぱり共演者の存在が一番大きいです。一緒にやっている役者が良い芝居してたら負けられないですし、自分も頑張らなきゃと思うので。

ーー『半沢直樹』の現場も刺激が強そうですね。ヒロイン役の今田美桜さんとは初共演です。

吉沢:お芝居が丁寧でとても素敵な方です。今田さんが演じてる瞳は、真っ直ぐで表情豊かな役なんですけど、それをすごく魅力的に演じていらっしゃいます。今田さんも他のドラマと掛け持ちしている状態で、セリフ量もすごいので大変そうだなと思いながらも刺激をもらっています。

ーー物語の中で瞳が吉沢さんが演じる高坂に「信じるものがある方が私は幸せ」というセリフが印象に残っているのですが、吉沢自身は何か信じているものはありますか。

吉沢:僕は結果が全てだと思ってる人間なので、基本的に何かを信じることはあまりないかもしれないです。結局ダメなものはダメだし、自分を信じるしかないなと。

ーー吉沢さんが一番達成感を感じる時っていつですか?

吉沢:あんまり役者をやってて達成感はあまり感じないかもしれない。でも、クランクアップとかではなくて、その作品ができ上がったのを見て、良いものができたと自信が持てた時は達成感を感じます。自分が良いと思える作品に出会えたかどうかはでき上がってみないと分からないから、そう思えた瞬間はやってよかったなって思います。

ーー新年迎えるタイミングや自身の年齢という節目にご自身で振り返ったり考えたりすることはありますか?

吉沢:取材で聞かれて考えてるくらいですが、周りが就活始めたぐらいの時期が、僕の中では節目だったと思います。それまではお芝居は好きだったけど、一生やるものだとは思っていなくて。地元の友達とくだらない話をしながら飲んでる時間が1番好きだったんですけど、だんだんみんなが就活でタイミングが合わなくなったりして、飲んでいても仕事の話をするようになって。周りが変わってきたなと思った時に、自分も社会人なんだという思いがやっと生まれて。あまり仕事を仕事だと思ってやっていなかったので、周りの変化で自分自身が変わりましたね。

ーー吉沢さんは周りの方たちから良い変化をもらえているんですね。

吉沢:そうですね。やっぱり地元の友達の近況を聞いたりして、俺も頑張らなきゃなと思います。役者友達もそうで、そういう役やるんだ、自分もやってみたいなとか、そういうものも原動力になってますね。

ーーご自身の中で、今は俳優としてはどんなタイミングなのでしょう?

吉沢:『半沢直樹』が放送されて、撮り終えている映画も公開されて、もう2020年のことはあまり考えてないかもしれない……。来年は大河が始まるので、その間に作品をやるべきなのかどうなのか、来年のことを考え始めています。でも昨年と変わらず、やっぱり一個一個が勝負だと思うので、大河が始まる前に勢いが落ちないよう、とにかく『半沢直樹』で一気に火をつけて消えないように今年はとにかく繋げることが大事かなと思います。

ーー今回の『半沢直樹』や最近の作品での挑戦を経て、新しく見えてきた課題や次の目標はありますか?

吉沢:やったことがないことをどんどんやりたいと思っています。まだ守ってる場合じゃないし、やったことのないフィールドでちゃんと実力が出せるのか、もっともっと挑戦していかなきゃいけないなと。

ーーこれからもずっと忙しい日々だと思うんですが、吉沢さんなりの“頑張り法”があれば教えてください。

吉沢:サボる。結構僕、平気でサボります(笑)。明日のセリフ全然入ってないどうしようって頭がパンパンになると、1回全部忘れてアニメを見ます。頭が空になってから台本を読む。

ーーなるほど……テスト前に勉強じゃなくて掃除したくなるみたいな?(笑)。

吉沢:そうですね(笑)。どれだけやっても不安になって、どうしてもどんどん不安になるので、好きなことをして、1回全部忘れちゃうのは大事な気がします。

ーー主演作がどんどん決まっていきますが、これからの役者としての展望を最後にお願いします。

吉沢:僕が主演の作品を見たいと思っていただけるのは単純にとても嬉しいです。けれど、やっぱり主演だけになるのはダメだと思っていて、その辺はいい塩梅でやりたいです。主演でもちゃんと作品を引っ張れるし、傍に行っても輝ける役者でいたいなと思います。

(取材・文=大和田茉椰/写真=三橋優美子)

■放送情報
『半沢直樹イヤー記念・エピソードゼロ』
TBS系にて、2020年1月3日(金)23:15~放送
出演:吉沢亮、今田美桜、吉沢悠、井上芳雄、北村匠海、尾上松也、緒形直人
監修:福澤克雄
チーフプロデュース:伊與田英徳
プロデュース:宮崎陽平
演出:松木彩
企画協力:池井戸潤
製作著作:TBS
(c)TBS

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