深田恭子と瀬戸康史が乗り越えた運命 『ルパンの娘』最終話を飾った美しく長いキスシーン

 一方で、最終回は和馬と華の脇を固めたキャラクターもそれぞれ魅力的な活躍をした。ついに肉声で話し、アクションまで披露した渉は、自慢の長い手足で戦い、天才的な頭脳でテントウムシ4号を開発するなど最終話で一番活躍したと言っても過言ではない。

 さらに和一は和装を抜いて2本ラインの入った革ジャンを羽織りバイクで登場。このライン入りの革ジャンとバイクは、藤岡の代表作『仮面ライダー』へのオマージュだろう。巻を倒したシーンでは巌と和一が画面に向かって決めポーズをとるシーンもあり、勧善懲悪なヒーローものとしても大いに楽しめる演出となった。

 円城寺は自慢の歌とダンスで敵をなぎ倒し、真っ白な背景と真っ白な円城寺の衣装、真っ黒な敵のコントラストも相まって、非常に美しいシーンとなった。最終回で大貫のダンスと美声が見納めとなるのは、つい寂しいと感じてしまう視聴者も多いのではないだろうか。

 誰を応援していても様々な角度から感情移入でき、コメディタッチな演出に相反した愛と絆の熱い物語につい興奮してしまう。まさに「盗むことで運命を変えた」2人の愛の物語は、終わってもなお多くの人の記憶に残る作品となっていくに違いない。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
木曜劇場 『ルパンの娘』
フジテレビ系にて毎週(木)22:00~22:54放送
出演:深田恭子、瀬戸康史、小沢真珠、栗原類、どんぐり、藤岡弘、(特別出演)、
加藤諒、大貫勇輔、信太昌之、マルシア、麿赤兒、渡部篤郎
原作:『ルパンの娘』 横関大(講談社文庫刊)
脚本:徳永友一
プロデュース:稲葉直人
監督:武内英樹
制作・著作:フジテレビ 第一制作室
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/Lupin-no-musume/

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