『あなたの番です』田中圭の演技と表情の変化が謎の鍵を握る!? 第1章の“甘えん坊年下夫”から豹変
現在、第2章「反撃編」が放送中の『あなたの番です』(日本テレビ系)。第1章では概ね6%台で推移していた視聴率も後半にかけ上昇、第2章に入り2話連続で9%を突破し、二桁目前の勢いである。
確かに初回を見て「マンション内で起こる交換殺人ゲーム」という突拍子もない設定に、なかなか次の視聴へと続かなかった人も多かったかもしれない。しかし、回を追うごとに増えて深まる謎、海外ドラマばりに多い登場人物、何よりそれぞれの俳優たちの迫真の演技により、ドラマ世界に引きこまれていく人が続出。連日ツイッターで犯人探しや散りばめられた謎に関する考察が盛り上がっており、にわかに『あな番』熱が高まっている。それはまるで90年代に日本でも大ヒットした海外ドラマ『ツイン・ピークス』ブームを彷彿させる熱狂ぶりだ。
この人気は本作のジャンルが「ミステリー」であることも大きい。視聴者が展開を予想しやすい「参加型ドラマ」の要件を満たしており、視聴者が流行りの「リアル謎解きゲーム」に近い感覚で楽しんでいるとも言える。また、昔と違い、インターネットでの活発な意見交換や、動画配信サイトでキャッチアップ視聴や繰り返し視聴が容易にできることも、人気を後押ししている理由の一つだろう。
本作の(現時点までの)主人公は、第1章のラストで愛する妻・菜奈(原田知世)を何者かによって殺され、幸福の絶頂から絶望のどん底に叩き落とされた手塚翔太(田中圭)であることは間違いない。
第2章では大学院生・二階堂忍(横浜流星)や職業不詳の男・南雅和(田中哲司)など新たなキャラクターも加わり、翔太の犯人探しが本格的になっていくが、注目したいのは田中圭の演技である。
第1章ではひたすら能天気で甘えん坊な年下夫を演じていた田中だが、菜奈の死をきっかけに表情が一変。それまでとはまったく異なる哀しみと狂気を孕んだ鬼気迫る演技を披露し、ドラマの雰囲気を一気に変えた。もはやそこには明るく無邪気だった頃の翔太の面影は無い。