綾瀬はるか、杉咲花、黒島結菜、菅原小春らが躍動 『いだてん』に登場した女性たちの魅力

 『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(NHK総合)の第一部が最終回を迎えたが、一部の主人公・金栗四三(中村勘九郎)が二度のオリンピック出場を果たした後の展開に惹かれた。理由は、四三がドイツでスポーツを楽しむ女性たちに接したときの気持ちを日本に持ち帰り、「次はおなごの番たい」と女子教育に力を注ぐ中で、魅力的な女性たちがたくさん登場したからだ。

 まず四三が出会った人として大きいのは、先にも書いたドイツの女性である。彼女の夫はベルリンオリンピックを目指していたが、中止となり戦地に赴くことになり、そこで戦死したという過去を持っていた。そんな彼女が「槍でも投げなきゃ、やってられないわよ」と、「くそったれ!」と言いながら力強く槍を投げる映像にはしびれた。

 四三はその後、名門女学校の東京府立第二高等女学校、通称・竹早に赴任する。そこで四三が出会うのが、村田富江(黒島結菜)という女学生である。富江は最初は四三に反発して、女生徒を代表して抗議をしにいくが、その威勢の良さが体育に熱中することにつながっていたのかもしれない。

 その富江が四三から「一度だけ先生の頼みば聞いてくれんね」と懇願され、着物の上っ張りを脱ぎ、髪を結っていたリボンを襷がけにし、そしてここでもあのドイツの女性のように「くそったれ」と言いながら槍を投げる。この映像を観ていると、女性たちのどこか抑えていた気持ちがシンクロしているように思えた。

 女性たちが生き生きとしはじめてからの『いだてん』には、こうした映像で「語る」シーンがほかにもある。

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