TAKAHIRO、佐藤大樹らの主演映画が公開 LDH所属アーティスト、“俳優”としてのポテンシャル
佐藤大樹が主演の『4月の君、スピカ。』が4月5日から公開され、またTAKAHIRO単独初主演の『僕に、会いたかった』が5月10日から公開になるなど、LDHに所属し、普段はアーティストとして活躍する2人の映画がお目見えする。
これまでにも、LDHの所属のアーティストや俳優たちは、映画の世界で活躍してきた。AKIRAはマーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』で、小林直己はNetflixオリジナル映画『アースクエイク・バード(原題)』でハリウッドにも挑戦。また、今市隆二が満を持して「CINEMA FIGHTERS project」の第3弾で俳優デビューすることを発表したことでも話題になった。もちろん、所属アーティストや俳優たちがこぞって出演する『HiGH&LOW』シリーズや、『PRINCE OF LEGEND』などもあり、その幅は広い。
この春公開となった『4月の君、スピカ。』は、『Sho-Comi』(小学館)で2015年から2017年まで掲載されていた杉山美和子による漫画が原作の恋愛ストーリー。ヒロインの早乙女星が転校で東京から田舎の高校にやってきたことから始まる。その中で佐藤大樹が演じるのは、ヒロインが恋心を抱く大高深月(鈴木仁)の親友の宇田川泰陽という役である。
泰陽は学ランに赤パーカーという明るくヤンチャな学生の定番のスタイル。『HiGH&LOW』シリーズの鬼邪高校の村山(山田裕貴)の青いチェックのシャツスタイルや、『PRINCE OF LEGEND』の京極兄弟(鈴木伸之/川村壱馬)も思い起こさせる。
この泰陽が、とにかく引っ込み思案のヒロインに積極的に絡む。少女漫画原作の男子(王子)像には、ある一定の型がいくつかあるとしたら、ガツガツした主役タイプと、一歩引いた当て馬タイプがまず挙げられると思うが、泰陽はあきらかに前者。泰陽と深月は、その名前からもわかるように、太陽と月のような存在で、その対比がくっきりと描かれる。
しかし面白いのは、その恋がどっちに転ぶかわからないところで、本来なら“月”の深月のほうが「当て馬」キャラになりがちなところを、泰陽にも「当て馬」的な要素が見えるのがこの作品を見るうえでのポイントともなっているのではないだろうか。筆者が佐藤大樹に取材したときも、そんな部分を楽しんで演じたのがわかる発言も飛び出していた。これまでにも『ママレード・ボーイ』で吉沢亮と、『センセイ君主』では竹内涼真と恋のライバルを演じてきたからこその視点である。
佐藤大樹は『PRINCE OF LEGEND』には出ていないが、ある意味この映画でも、ひとつの王子の型を演じているとも言える。また佐藤の普段の真面目で好感度の高いキャラクターを持った上で、明るさはそのままにちょっと強引な役を演じていることで、うまく別の顔を引き出されていたと思う。