『アベンジャーズ/エンドゲーム』一体どこで見れば良い? 映画館の選び方を解説

追加料金なしで、少しでもいい環境で見たい方へ

 ここまで、プレミアムシアター2つを紹介したが、次は通常劇場でのコツを紹介。どの劇場も実際に自分で鑑賞しないことには良さがわからないが、情報からある程度の指標をつけることもできる。

 劇場のHPには、施設案内という形でスクリーンの情報、たとえば、スクリーンサイズや座席数、音響システムなどが記載されている。予約を取る前にそのシアターがどのくらいのサイズなのか把握しておくのがポイント。当然収容人数が多ければ多いほど、大きなスクリーンでたくさんの観客と映画を共有することとなる。『エンドゲーム』は話題作であるため通常であれば最大箱が当てられるが、今年のゴールデンウィークのライバル『名探偵コナン 紺青の拳』の存在も懸念しておいたほうがいい。ファミリー層が多い劇場では、動員を考慮して『エンドゲーム』を2番手3番手の箱に回す可能性も十分に考えられる。

 その上、スクリーンの画面比率にも気を遣うと良い。本作は、通常上映ではシネスコサイズ(2.35:1)での上映となるため、ビスタサイズ(1:1.85)のスクリーンでは上下に余白が生まれる。スクリーンマスクを使って余白を隠す劇場は現在はめっきり減ってしまったため、フルスクリーン感を味わいたいのであれば、作品の画角に対応したシネスコスクリーンを選ぶのも重要だ。

 さらにこだわりたいという方は、スクリーンの生地も気にしてほしい。これはHPなどには公開されていないのだが、スクリーン生地には、大きく分けるとシルバースクリーンとホワイトスクリーンが存在する。シルバースクリーンはRealDなどの使い捨て3Dメガネのシステムに対応しているため、多くの劇場に採用されているのだが、ホワイトスクリーンと比べ画質が低く、スクリーンの中心と端での輝度の差が著しく、映像にムラが出やすいと一般的に言われている。映写技師や劇場関係者もホワイトスクリーンによる上映に重要性を感じており、立川シネマシティは2017年にシルバーからホワイトスクリーンへ張替えを行った(参考記事)。先日オープンしたUPLINK吉祥寺も全館ホワイトスクリーンでの開業となった。

 劇場に直接問い合わせない限り、スクリーンの生地を確認することは難しいのだが、簡単な指標も存在する。3D上映に対応しているスクリーンなら、3D方式によってある程度判別が可能だ。基本的にはRealDやIMAX 3Dなど使い捨てのメガネを使う方式はシルバースクリーンを採用しており、XpanDなど貸出の電池式のメガネを採用している劇場はホワイトスクリーンが多いのだ。使い捨てメガネを使用した3Dシステムがシルバースクリーンでないと効果が出ないため、このような差異が生まれる。

 その他にも、前述の立川シネマシティをはじめとする音響システムにこだわった映画館など、映画体験を向上させる上映はいくつも存在する。近くの映画館を調べてみると、力の入った上映を企画しているところも多いだろう。この2019年に映画館で『アベンジャーズ/エンドゲーム』を見る体験こそが素晴らしい映画体験であり、未来の子どもたちに自慢できるであろう一瞬に違いはないのだ。どんな映画館であれ個人個人にとってかけがえのない体験になることを祈ろう。

(文=安田周平)

■公開情報
『アベンジャーズ/エンドゲーム』
4月26日(金)全国公開
監督:アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ
製作:ケヴィン・ファイギ
出演:ロバート・ダウニー・Jr.、クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー、ポール・ラッド、ブリー・ラーソン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)Marvel Studios 2019
公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html

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