『いだてん』『グッドワイフ』『3年A組』の日曜ドラマが本命に? 注目作揃いの1月ドラマ

2年ぶりに戻ってきた『家売るオンナ』

『家売るオンナの逆襲』(c)日本テレビ

 外せない“ドロドロ枠”はカンテレ製作の『後妻業』(カンテレ・フジテレビ系)。『モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐―』(フジテレビ系)や『不惑のスクラム』(NHK総合)で昨年、イメージを大きく変えつつ好演した高橋克典、そして薄幸では終わらない、したたかな悪女といったら木村多江。『あなたには渡さない』(テレビ朝日系)に続く木村佳乃が演じる女の戦いはいかに。

 そして、シリーズものは基本的に触れないのだが、『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)は別だ。昨年の『大恋愛〜僕を忘れる君と』(TBS系)が恋愛ドラマとして見事だった大石静、『家売るオンナ』がテレビドラマ初プロデュースであり、その後多くのテレビドラマを作ってきた小田玲奈プロデューサーが、前作から2年経った不動産業界と北川景子演じる三軒家万智をどう描くのかが注目である。

 気になる2本は『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)と『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)だ。

 『家政婦のミタ』『過保護のカホコ』(共に日本テレビ系)の遊川和彦が脚本だけでなく演出も担当する『ハケン占い師アタル』。彼の描く一見突飛で愛のあるキャラクターが、今度は現代の会社事情に切り込む。出てくるのは毒か愛か。

『メゾン・ド・ポリス』(c)TBS

 オジサマたちのシェアハウスというハートウォーミング風の見た目に西島秀俊の出演が意外な『メゾン・ド・ポリス』。脚本が『モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐』『僕のヤバイ妻』(関西テレビ/フジテレビ系)の黒岩勉、そして演出が『ストロベリーナイト』(フジテレビ系)の佐藤祐市と聞くと、その柔和な見た目に踊らされてはいけない気がしてくる。

 そして深夜ドラマはテレ東がなんだかスゴイ。『さすらい温泉 遠藤憲一』の湯けむり美女、『フルーツ宅配便』(共にテレビ東京系)のデリヘル嬢と、女優陣が気になって仕方がない2本は、規制だらけの現代のテレビドラマの枠の中でどう暴れるのか。『フルーツ宅配便』は、映画界で今最も勢いがある白石和彌がいかに派手にやってくれるのかも期待だが、昨年の秀作『モリのいる場所』などシンプルな日常に可笑しさを滲ませる沖田修一の演出も非常に楽しみである。ふじきみつ彦脚本、光石研主演の『デザイナー 渋井直人の休日』(テレビ東京系)も、黒木華はじめ目を疑うほど豪華で魅力的な俳優陣が揃い、1本の上質な映画ができそうだ。30分連続8回、石橋菜津美、土村芳が出演するNHK『ゾンビが来たから人生見つめ直した件』も興味深い。平成元年生まれのアラサー女子たちが、“危機と不安の象徴”ゾンビを前にしてどう動くのかを劇作家・櫻井智也が描く。

 さてさて、今年も楽しみだ。

■藤原奈緒
1992年生まれ。大分県在住の書店員。「映画芸術」などに寄稿。

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