ジャッキー・チェンは今もワン&オンリー! 『ポリス・ストーリー REBORN』は大満足の出来
ブルース・リーには(リアルタイムでは)間に合わなかった、ジャッキーからカンフー映画・格闘映画を知ったにもかかわらず、とうに彼は、僕にとってもそのスジの絶対神ではない。カンフーの美しさという点でははるか昔にドニー・イェンに越えられたし、インドネシアからは「敵をちゃんと殺戮しながら倒す」シラットの映画スター、イコ・ウワイスが現れた(2019年1月公開の『マイル22』も最高でした)。そもそもジャッキーの直後に『少林寺』(1982年)でリー・リンチェイ(のちのジェット・リー)が現れた時点で「ほんとに強いのはこっちちゃう?」みたいな議論、既にあったし。
しかし。「コミカルあり」の格闘においては、いまだにジャッキー・チェンを脅かすものはいない。誰にも脅かそうという気がないのかもしれないが、ゆえにジャッキー・チェンは、64歳の今もワン&オンリーなのだった、我々にとって。
どんな内容であろうとも、エンドロールで「英雄故事」が高らかに響けば、それは『ポリス・ストーリー』!(しかも今回は新録!)。そこでNG集が流れれば大満足。それがファンというものです。あ、そのエンドロールでジャッキー、スタッフたちに「来年必ず続編を作ろう!」と言っていた。ほんとに撮るのかな。もう撮ってたりするのかな。
余談。ヒロインであるジャッキーの娘役、オーヤン・ナナが、欧陽菲菲の姪である、という事実にも、しびれるものがありました。ジャッキー直撃世代は、「ラブ・イズ・オーヴァー」大ヒットをリアルタイムで知っている世代でもあるので。
■兵庫慎司
1968年生まれ。音楽などのライター。「リアルサウンド」「CINRA NET.」「DI:GA online」「ROCKIN’ON JAPAN」「週刊SPA!」「CREA」「KAMINOGE」などに寄稿中。フラワーカンパニーズとの共著『消えぞこない メンバーチェンジなし! 活動休止なし! ヒット曲なし! のバンドが結成26年で日本武道館ワンマンにたどりつく話』(リットーミュージック)が発売中。
■公開情報
『ポリス・ストーリー/REBORN』
全国公開中
出演:ジャッキー・チェン、ショウ・ルオ、オーヤン・ナナ、エリカ・シアホウ、カラン・マルヴェイ、テス・ハウブリック
監督・脚本:レオ・チャン
配給:ツイン
英題:Bleeding Steel/映倫:G
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公式サイト:http://policestory-reborn.com