さて、少々強引な誘いによって、この愉快な食事会に参加した育実。一輝と過ごせば過ごすほど、自分との違いを自覚し、彼女自身、いろいろな考えを巡らせているようだ。今回のラストで、育実みずからが一輝の“リス研究”への同行を願い出たのは、かなりの大きな変化である。その先で、育実は一輝に、離れてしまった恋人のこと、自分に自信がないこと、自分が“ウサギ”であることを語りだす。弱いところ見せようとしなかった彼女の、さらなる大きな変化であった。これは今の自分を受け入れ、そして一輝に心を開いたように思えた瞬間でもあった。そんなとき、一輝の架けた橋をリスが渡っていく。一輝は「あっちの世界と、こっちの世界が繋がった」と口にしていたが、それはまさに、一輝と育実の心が、少しだけ繋がった瞬間でもあったのだ。

■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。

■放送情報
『僕らは奇跡でできている』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00～21:54放送
出演：高橋一生、榮倉奈々、要潤、児嶋一哉、西畑大吾（関西ジャニーズJr.）、矢作穂香、北香那、広田亮平、田中泯、トリンドル玲奈、阿南健治、戸田恵子、小林薫
脚本：橋部敦子
音楽：兼松衆、田渕夏海、中村巴奈重、櫻井美希
演出：河野圭太（共同テレビ）、星野和成（メディアミックス・ジャパン）、坂本栄隆
プロデューサー：豊福陽子（カンテレ） 、千葉行利（ケイファクトリー）、宮川晶（ケイファクトリー）
主題歌：SUPER BEAVER「予感」（[NOiD] / murffin discs）
オープニング曲：Shiggy Jr.「ピュアなソルジャー」（ビクターエンタテインメント）
制作協力：ケイファクトリー
制作著作：カンテレ
(c)関西テレビ
公式サイト：https://www.ktv.jp/bokura/index.html