『ポルトの恋人たち〜時の記憶』インタビュー

柄本佑×中野裕太『ポルトの恋人たち~時の記憶』対談 「想像がつかないことをやるのが楽しみ」

 18世紀のポルトガルと21世紀の日本を舞台に、3人の俳優がそれぞれ1人2役に挑んだ異色のラブミステリー『ポルトの恋人たち~時の記憶』が11月10日より全国公開される。日本、ポルトガル、アメリカの3か国合作となる本作は、オダギリジョー主演の日米合作映画『BIG RIVER』などを手がけた舩橋淳監督が、構想に3年かけて制作した集大成的な最新作だ。

 今回リアルサウンド映画部では、主演の柄本佑と中野裕太にインタビューを行い、ポルトガルでの撮影や、俳優としての互いの存在について話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

柄本「想像がつかないことをやるのが楽しみ」


ーー出演オファーを受けたときのお気持ちは?

中野裕太(以下、中野):何の違和感もなく、お話をいただいた時に自分の中にすーっと入ってきた節があったんです。「この映画、やるんだろうな」と当然のように受け入れ、当然のようにポルトガルに行くんだろうなと、不思議な感覚がありました。ただ、蓋を開けてみると、ポルトガル語を勉強したりと、準備も含めて大変でした。

柄本佑(以下、柄本):僕はもう、「やったーポルトガル行ける!」でした(笑)。ポルトガルで撮影するらしいよと聞いた時に、「え、まじっすか、やります!」と即答で。ポルトガルでの撮影や衣装なども想像がつかなかったので、その想像がつかないことをやるのが楽しみでした。

中野:それはあったね、わくわく感みたいなものが。

柄本:うん。向こうに行ってどんな思いをしようと、それはひとつの経験として絶対に無駄にはならないだろうなと思っていたので。仕事に対しては、ひとかけでも気になる想像のつかなさがあったら、やってみたいなといつも思います。

ーー監督からは、本作に込めるどのような思いを感じましたか?

柄本:監督に、まず第一声で「どうですか、本は?」と言われて、「この人ちょっと外国人?」って思っていたんです(笑)。ポルトガルの映画の現場って、1日に撮る分量が少ないんです。けど、日本の感覚のスケジュールで組んでいたので、普段は1日に2、3シーンしか撮らないスタッフさんが、いきなり7、8シーン撮るとなるわけで、大変そうでした。その人たちを動かしていく監督は、「陽が落ちる! 強行突破だ!」と、現場で思いを一つひとつ確認してというより、勢いで進めていったというか。監督の思いって、具体的な言葉で言うと野暮ったいし、言葉にできないからこういうものを作っていると思うんです。出来上がった作品を観たら、監督の何かしらの思いみたいなものはしっかり映っていました。

中野:初対面の時、監督はとても汗をかかれていて。急いで入ってきたのだと思うのですけれど、僕も佑くんと同じように「どうですか?」と聞かれて、すごく変わった人だなと思いました。

柄本:あと、監督の何気ない髭って、こだわり抜いた髭なんだろうなと思います。こだわりの強い人なんだろうな。

中野:僕もそれ思ってた(笑)。こだわりが強くて、おそらく自分の頭の中では、相当色んなことが回転している人なのだろうなと感じました。何年か越しで作られた作品でもあるし、監督自身の様々な気持ちで脚本を書いたのでしょうね。

ーーポルトガルと日本の合作映画としては3作目で、日本人初監督となると、すごい作品だという印象を受けるのですが、他国との作品に携わることは、役者としてどういう気持ちですか?

柄本:今回のような機会がなければ、ポルトガルの映画作りを知ることはなかったので、このように自分が知る機会が増えていくことは、楽しみではあります。この作品で、ポルトガルのスタッフの動きを見ていて、映画作りのベースは日本も海外もそれほど変わらないんだなと知れたのが非常に良くて。むしろ今回、背中の傷を作る特殊メイクの人が、日本の特殊メイクの人に憧れて、この仕事に就いたという話を聞いて、「日本もすごいんだな」と。そういう見られ方をしていることが知れて、嬉しかったです。

中野:「合作」と言葉にすると、外から見れば大作のように聞こえるかもしれないけど、僕も同じ気持ちで。ポルトガルのスタッフさんたちと喋っていて、なんのバリアも感じませんでした。すごく気さくな方たちで、外国の人と一緒に撮影している違和感のようなものが全くなくて。すごくプロフェッショナルな熱量の高い現場でした。福岡の田舎に生まれた自分が、30歳でポルトガルでこうやって仕事をすることになるとは思ってもいませんでしたから。そういう不思議さは後から振り返ると感じますね。

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