永野芽郁は2000年代をどう駆け抜けたか? 『半分、青い。』鈴愛が過ごした10余年を振り返る

 そして、岐阜での重要な鈴愛の決心がもう1つ。鈴愛は花野が割と本気でフィギュアスケートに憧れを持っていることを知ることになった。少なくとも、岐阜の実家から気軽に通えるような所には練習場所はないわけだし、ましてやフィギュアスケートを始めるとなればお金だってかかる。それでも、鈴愛はどうにかして花野に練習をさせてあげられないかと思案する。鈴愛の“諦めの悪さ”は良くも悪くもこんな機会に発揮されるのだ。自分が津曲(有田哲平)のもとで働くことも兼ねて、再上京を決意し、都内で花野にスケートをさせられるようにした鈴愛であった。

 とはいえ、再上京後の鈴愛の仕事ははじめは上手くいっていたものの、その後はほとんど商品がヒットすることはなく、都内で五平餅の売り子を始めることになってしまった……。

 こうしてゼロ年代を勢いよく駆け抜けていった鈴愛であったが、涼次や和子、花野といった風に、その時々で、少しでも自分以外の誰かのために頑張ろうとしてきた。必ずしも100%“人のため”であるかと言えばそうではなく、鈴愛の個人的な自己実現欲求もそこには含まれているかもしれない。自分の会社を突然興したいと思いたったり、まだまだ彼女は昔と変わらないバイタリティーを持っていたりする。そんな鈴愛の一面は確かに周りをびっくりさせ、時に辟易とさせてしまうこともある。ただ、評論家によっては未だに“失われた”なんて言葉が使われ、どこか閉塞感が残ったゼロ年代であっても、自分なりに潜り抜けてきた鈴愛。そんな彼女が“一大発明”をどのように成し遂げて、視聴者を“ふぎょぎょ!”と言わしめるのかが、残り1ヶ月の見どころとなりそうだ。

(文=國重駿平)

■放送情報
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
平成30年4月2日(月)~9月29日(土)<全156回(予定)>
作:北川悦吏子
出演:永野芽郁、松雪泰子、滝藤賢一/佐藤健、原田知世、谷原章介/奈緒、矢本悠馬、石橋静河、余貴美子、風吹ジュン、中村雅俊、上村海成/清野菜名、志尊淳、山崎莉里那、小西真奈美
制作統括:勝田夏子
プロデューサー:松園武大
演出:田中健二、土井祥平、橋爪紳一朗ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/
 

 

 

関連記事