山本美月が語る、瀬々敬久監督と考えた“普通”の意味 映画『友罪』インタビュー

「今もまだ下積みな気がします」

――清美に共感する部分はありましたか?

山本:彼女は仕事が好きで、仕事とプライベートをうまく切り離せていない感じがあるんです。そこは何となく共感できるなと思いました。

――山本さんも仕事とプライベートを切り離せないタイプなんですか?

山本:プライベートの時間を過ごしていても、「これは仕事だったらこうできるな」と考えてしまうんです。悲しい気持ちになったりイライラしたりしたときに、「こういう設定のシーンだったらこんな気持ちになるんだ」と仕事につなげてしまうことが結構あって。それは仕事に活かせる部分でもあるので、いいことでもあるとは思います。

ーー女優業は今年で8年目になりますね。今年は映画『去年の冬、きみと別れ』や現在放送中のドラマ『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(フジテレビ系)など、これまで以上により幅広く活躍されている印象ですが、自身では女優としての成長を感じることはありますか?

山本:今もまだ下積みな気がしますし、まだ勉強している段階なんだろうなと思っています。今回この作品では、作品独特の空気感や、生田さんのお芝居に対する姿勢など、そこにいるだけで学べるものがたくさんありました。言葉にすることは難しいのですが、どの現場でもそれぞれの空気感がある中で、『友罪』の現場は本当にこれまで感じたことのない空気感だったんです。それは作品を観ていただければ自ずと伝わってくるのではないかと思います。

ーー確かにこれまでにはない、独特の空気感がありました。

山本:私は完成した作品を観て、何とも言えない気持ちになったんです。この気持ちをどこにぶつけたらいいんだろうって。はっきりとした正解がないので、この作品を観た方々がそれぞれどんなことを感じるのか、それがすごく気になる作品だと思います。私自身、感想を言うのがとても難しい作品でもあるので、ご覧いただいた方々に自分なりの正解を見つけていただけたらと思います。

(取材・文・写真=宮川翔)

■公開情報
『友罪』
5月25日(金)全国ロードショー
監督・脚本:瀬々敬久
原作:『友罪』薬丸岳(集英社文庫刊)
出演:生田斗真、瑛太、夏帆、山本美月、富田靖子、佐藤浩市
配給:ギャガ
(c)薬丸 岳/集英社 (c)2018映画「友罪」製作委員会
公式サイト:http://gaga.ne.jp/yuzai/

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