第4話では少なめに 『モンテ・クリスト伯』ディーン・フジオカ登場シーンの絶妙なバランス

 5.1%でスタートしたドラマ『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(フジテレビ系)の関東地区の視聴率は、第2話が5.7%、第3話が7.1%と回を重ねるごとに右肩上がりで好調だ(数字はビデオリサーチ調べ)。ネット上でも盛り上がりを見せる本作は、これまで比較的綺麗な役が多かったディーン・フジオカが拷問や指を喉に入れ嘔吐するなど体当たりの演技に挑んでいる点が見どころの1つとなっている。

 そして5月10日に放送された第4話は、関東地区視聴率が6.5%と少々下がったものの、モンテ・クリスト・真海(ディーン)がじわりと進めてきた復讐の第1弾が遂行された重要な回となった。真海が早くも復讐相手の神楽清(新井浩文)、入間公平(高橋克典)、南条幸男(大倉忠義)の3人とその家族に接触を果たした前回だったが、今回は真海ではなく、神楽の妻で入間の愛人だった神楽留美(稲森いずみ)を中心に物語が進む。

 夫から愛情を注いでもらえず孤独な毎日を送る留美は、マンションの一室に若い男2人を連れ込み“奉仕”させるのが唯一の癒やし。さらに22年前に、愛人・入間との間にできた子供を産んで即座に庭に埋められた壮絶な過去を持っており、それを現在でも引きずっている。“孤独と依存”を抱える人間は、マインドコントロール下に入れやすいため、登場人物の中で留美は1人目のターゲットとして最も相応しい人物だった。留美は、本当は生きていた彼女の息子・安堂完治(葉山奨之)と、正体を知らぬまま身体を重ねることになる。

 一方、「大切なものを壊す」と淡々と計画を進めていく真海。今回彼は、留美と安堂を出会わせ、幸男の元に神楽のライバル会社のCM契約の話を持ち込ませる。文字にすると彼の行動は非常にシンプルだが、“風が吹けば桶屋が儲かる”と言われるように小さな変化が大きな歪みを起こしていく。

関連記事