原田知世&松雪泰子が美しい 『半分、青い。』母親たちの輝かしき魅力

 一方、和子とは真逆で、食堂を切り盛りする庶民の晴を演じる松雪も異なるベクトルの魅力を見せている。彼女も原田と同じく内なる気品が溢れ出ている女優だが、なぜか困った顔がよく似合う。眉間にしわを寄せ想定外の妊娠に困惑する姿は、彼女の真骨頂と言ってもいいのではないだろうか。

 へその緒二重巻きという難産で帝王切開を提案された際に真っ先にビキニが着れなくなることを嘆き、生まれてきた我が子に対して「猿みたい」と言ってしまう晴の正直さには思わず笑ってしまったが、過去には日清焼そばU.F.O.のCMでUFOガールヤキソバニーを演じたり、『デトロイト・メタル・シティ』のデスレコーズ社長役で脳裏に焼き付くインパクトを残している松雪のコメディーの才能は目を見張るものがある

 同じ日に生まれた鈴愛と律を描く本作。原田と松雪も5歳離れているが、実は誕生日が同じ。第1話でも明かされていたが、これから鈴愛には耳が聞こえなくなる試練が訪れ、第2週からは永野と佐藤も登場することになる。鈴愛と律が成長するにあたり、和子と晴は脇に徹していくことになるが、対極しながらもどこか似たもの同士の2人はどんな母親像を見せていくのか楽しみだ。

(文=阿部桜子)

■放送情報
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
平成30年4月2日(月)~9月29日(土)<全156回(予定)>
作:北川悦吏子
出演:永野芽郁、松雪泰子、滝藤賢一/佐藤健、原田知世、谷原章介/余貴美子、風吹ジュン、中村雅俊/豊川悦司、井川遥、清野菜名、志尊淳、中村倫也、古畑星夏
制作統括:勝田夏子
プロデューサー:松園武大
演出:田中健二、土井祥平、橋爪紳一朗ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/

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