原田知世&松雪泰子が美しい 『半分、青い。』母親たちの輝かしき魅力
ヒロインが異例の胎児期からスタートしたNHKの連続テレビ小説『半分、青い。』。 そのため第1週「生まれたい!」の前半は主人公・楡野鈴愛役の永野芽郁と萩尾律役の佐藤健が胎児と赤ちゃんのナレーションとして参加し、4月4日放送の第3話から9歳の鈴愛を演じる矢崎由紗ら子役たちが活躍した。
『ひよっこ』を除き、朝ドラはヒロインの出演がほとんど第2週目以降になるため、第1週目は大人キャストの腕の見せどころ。本作でも、鈴愛の母・晴を演じる松雪泰子と律の母・和子役の原田知世が朝から眩しすぎるほどの美しさ対決を披露している。
ふくろう商店街きっての美人おかみの座を二分している晴と和子。『時をかける少女』で芳山和子(かずこ)を演じた原田に和子(わこ)という役を与えたのは脚本家・北川悦吏子の遊び心なのだろうか。1983年に女子高生役だった彼女が、母親役として再び80年代を歩むことになったが、彼女の少女性は35年経った今でも色褪せていなかった。
和子は夫とともに写真館を営み、時間があるときはピアノを弾く優雅な日々を送っているが、死体の中のカセットテープが喋るという架空の海外ミステリー小説『バニーリバー最後の事件』を出産前に愛読し、助産師を苦笑いさせる一面もある癖のあるキャラクター。作中でも楡野家と萩尾家との貧富の差が永野のナレーションにより説明されていたが、原田の少し赤らいだ無邪気な笑顔のせいか和子にはお金持ちの嫌味が微塵も感じられない。
北川が脚本を務めた『三つの月』(TBS系)でも夫婦役を務めた谷原と原田演じる萩野夫婦は、やはり声質に優しさが詰まっているように感じられる。2人とも白いベールを一枚通したような柔らかさがあり、おてんばで慌ただしい楡野家のペースをもグッと引き込んでいく。小花柄がよく似合う可憐な和子の空気に振り回されるキャストたちの姿が早くも想像できる。