是枝裕和監督、リリー・フランキーらのキャスティング理由を明かす 『万引き家族』場面写真公開

 是枝裕和監督の長編14作目となる『万引き家族』より、場面写真が公開された。

 本作は、様々な“家族のかたち”を描き続けてきた是枝監督が、この10年間考え続けてきたことを全部込めたと語る家族の物語。犯罪でしかつながれなかった家族の “許されない絆”が、ある事件をきっかけに変化していく模様を描く。

 息子と協力して万引きを重ねる父・治をリリー・フランキー、その妻・信代を安藤サクラ、彼女の妹・亜紀を松岡茉優、家族の“定収入”として年金を当てにされる祖母・初枝を樹木希林が演じるほか、池松壮亮、高良健吾、池脇千鶴、柄本明、緒形直人、森口瑤子らがキャストに名を連ね、音楽は細野晴臣が担当する。

 今回公開された場面写真では、足りない生活費を万引きで稼ごうとスーパーに出向く治(リリー)と祥太(城桧吏)や、冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていたことから家に連れて帰ったじゅり(佐々木)を抱きしめる信代(安藤)、亜紀(松岡)と初枝(樹木)の姿、治と信代とじゅりが仲睦まじく川の字に寝そべる様子などが切り取られており、是枝監督が新たに描く“家族のかたち”が垣間見える。

 『そして父になる』以来、今作で4度目の是枝作品への起用となるリリーだが、是枝監督は『そして父になる』でリリーが扮した電気店を営む父親役のイメージが、本作での起用に大きくつながったと言い、「あんなリリーさんをもう一回撮ってみたいと思いました。人間の中にあるちょっとした悪い部分、駄目な部分を表現するのが、リリーさんはすごく上手なんですよね」と語っている。

 母の信代に扮した安藤の起用については、「想像をはるかに超えて素晴らしかったので、どんな理由で彼女にオファーしたのか、もはや思い出せないんです。彼女でなければどうなっていたんだろうと思うくらい、本当に素晴らしかった」と絶賛。

 また、安藤と同じく是枝作品には初の参加で信代の妹・亜紀に扮している松岡については、これまでその出演作を観てきて、彼女の力を高く評価していた是枝監督が、当初想定していたキャラクターの設定も含め、松岡に合わせて脚本を書き直していったという。あて書きについては、6作目の是枝作品となる樹木が演じた祖母・初枝も同じだといい、「初めから樹木さんを想定して脚本を書いているので、樹木さん以外にはできない役柄」と断言。オーディションで息子の祥太を演じる城と、治に拾われてきたじゅりを演じる佐々木みゆはオーディションによって選ばれ、撮影現場では、是枝監督の演出方法として知られる、子供たちには台本を渡さず、口立てで演出するという手法が今作でも行われた。しかし、いつも通りとはいかなかったようで「どんなやり方がフィットするのか、演出の仕方はひとりひとり異なります。だから子供への演出はメソッドとして確立できないんですよね」と明かした。

■公開情報
『万引き家族』
6月8日(金)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、城桧吏、佐々木みゆ、緒形直人、森口瑤子、山田裕貴、片山萌美、柄本明、高良健吾、池脇千鶴、樹木希林
製作:フジテレビ、ギャガ、AOI Pro.
配給:ギャガ
(c)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.
公式サイト:http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku

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