松山ケンイチの苦悩の背中が胸にくる 『隣の家族は青く見える』無言の演技に注目

 コロコロと演技や姿を変えていく松山だからこそ、五十嵐大器の無言の演技は心にくる。現実世界にも、不妊治療に励み、厳しい現実に直面しながらも前を向き続ける夫婦がいるのではないだろうか。そんな彼らの苦しさや不安を体現できるのは「カメレオン俳優」とも呼ばれる松山の、繊細な演技があってこそではないか。

 会議のプレゼン中に手が止まり、涙をこらえるシーンは流石にドラマならではの演出だ。しかし流産を宣告されたときの背中と、奈々がいないところで声を押し殺して泣く姿は、あまりにもリアルだった。第9話の最後、奈々は手紙を残して家を出てしまう。最終話の予告動画はない。2人の間に子供ができても、できなくても、どうか夫婦2人が幸せになることを願ってやまない。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
木曜劇場『隣の家族は青く見える』
フジテレビ系にて毎週木曜22:00から放送
出演:深田恭子、松山ケンイチ、平山浩行、高橋メアリージュン、北村匠海、眞島秀和、真飛聖、野間口徹、伊藤かずえ、高畑淳子、橋本マナミほか
脚本:中谷まゆみ
プロデュース:中野利幸
演出:品田俊介、高野舞
制作:フジテレビ第一制作室
(c)フジテレビ
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/tonari_no_kazoku/

関連記事