成田凌は松坂桃李と同じ道を選ぶ? 『わろてんか』隼也とつばき、切ない“最後”

 『わろてんか』(NHK総合)のInstagramアカウントは、キャストの撮影裏での仲睦まじい様子が伝わってくると評判だ。例えば、2月6日に投稿されたキース役の大野拓朗がオフィシャルカメラとして撮影するシリーズでは、キャスト陣が各々のポーズをとる現場の楽しそうな空気が感じ取れる。2月22日の投稿では、隼也役の成田凌とつばき役の水上京香が登場。「これからいいシーンが始まりますね。長い、長い、いいシーンですね」と成田が話すと、水上が「(撮影時間は)約80分ですか」と返す。2人が大切に撮影したというのが、第21週「ちっちゃな恋の物語」第120回で描かれる“最後”に2人が過ごすシーンだ。

 隼也と恋仲にあるつばきには、親が決めた許婚がおり、結納の日取りも正式に決定していた。加えて、つばきは北村笑店の取引銀行である中之島銀行の頭取の娘。大事な跡取り娘に手を出したのが北村笑店の息子と分かれば会社への資金融通はなくなってしまう。惚れた腫れたの話ではない。一緒になることができないことを2人は察し、つばきはてん(葵わかな)に「もうお会いすることはないと思います。最後にちゃんと気持ちをお伝えできてよかったです」と感謝の意を述べる。てんは緊張した空気を解くように、晩御飯を一緒に食べていくことを勧める。

 家に帰ってきた隼也は、台所に立つつばきの姿に驚く。てんとつばきが並んで料理を作る後ろ姿を遠くから幸せそうに眺める隼也。「こんな風にお母さんと並んでお料理するのいいですね」という本心からのつばきの言葉に、「そやなぁ、うちにも娘がいたらこんな感じやったんかな」と返すてん。3人でテーブルを囲み食事をする時間は、もう一緒にはなれない者たちの、笑顔の咲く優しい時間だった。

 ご飯を食べ終えた隼也とつばきは、2人で庭から月を眺めていた。「一緒にごはんをいただいて、笑って楽しかったです」とつばき。2人は見つめ合うシーンが多い。喫茶店で「マーチン・ショウ」の話で意気投合したとき、洋食「マンマン」で文芸部から見られている中でも話が盛り上がったとき、雨の中去っていくつばきを隼也が引き止めたとき、つばきが作った味噌汁が美味しかったとき。縁側で隼也はつばきにこれまでのお礼にと、椿の花のペンダントを贈る。「宝物にします。素敵なショウや面白いレビューいっぱい、いっぱい作ってください。いつかきっと見に行きますから」と話すつばきの頬には涙が伝う。つばきの方を向けない隼也。本当は2人で実現したかった夢だった。隼也も瞳に涙を浮かべ、2人はじっと月を眺めるのだった。

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