山崎賢人らの奮闘でついに「4代目陸王」完成へ 『陸王』第5話で描かれた“仕事への情熱”

 カリスマシューフィッターの村野(市川右團次)を強力な助っ人として迎えた「こはぜ屋」は、「陸王・茂木裕人モデル」を試作。先週放送された日曜劇場『陸王』(TBS系)第4話では、茂木(竹内涼真)本人がそれを履き、選手生命をかけた部内10,000メートルトライアルで健闘し、涙を誘った。11月19日放送の第5話では、宮沢(役所広司)の閃きにより、シルクレイのソール技術を応用した、新しい地下足袋「足軽大将」を製品化。いくつもの災難には見舞われたものの、大ヒット商品として世に送り出すことに成功し、今まで敵対していた「こはぜ屋」融資担当の大橋(馬場徹)も前向きな姿勢を見せる。そしてついに完成した「4代目陸王」を、茂木の公式の復帰戦となるニューイヤー駅伝の会場で、履く姿までが描かれた。

 やはり資金繰りに頭を悩ます宮沢は、逆転の発想で、シルクレイのソールを地下足袋に応用することを思いつく。この案にはいつも渋面の富島(志賀廣太郎)も「うちは足袋屋ですよ…やるべきです」と目を見開く。完成した「足軽大将」は瞬く間にヒット商品となり、追加発注が相次ぐ。手を取り合い喜びをかみしめる一同であったが、その矢先、最盛期から「こはぜ屋」を支えてきた冨久子(正司照枝)が倒れ、さらには飯山(寺尾聰)がかつての因縁の相手から暴行を受け入院生活を余儀なくされる。この状況に大橋は「融資はできかねます」と言い放ち、宮沢は「結果を出します」と宣言する。飯山に代わってシルクレイ製造を引き受けたものの、機械がエラーを起こし焦るばかりの大地(山崎賢人)のもとへ、飯山の執念の結晶とも言える機械の設計図が届く。ようやく原因がつかめたとき、飯山本人も「自主退院してきた」と姿を現す。飯山は大地のこの活躍を讃えて「お前はこの世に一人しかいない。本当に大事なのは、自分と、自分の仕事に、どれだけ胸を張れるかだ」と言葉を贈る。

 かくしてエラーを解消し、製造再開。納期まではギリギリだが、作業を終えた大地は晴れ晴れとした笑顔で面接へと向かう。ところが、100足近くの「足軽大将」のソールに亀裂が入っていることが発覚する。「結果を見に来ました」と姿を見せた大橋も、これには顔を歪ませる。これを耳にした大地は先述した飯山の言葉、そして宮沢の「全力で頑張っている人間がすべての勝負に負けるとは思わない…大地、お前もだ」という言葉がフラッシュバックし、「俺がやる。絶対間に合わせるから」と駆け込んでくる。ここでの彼らの奮闘は、大橋の「新しい陸王が完成したら、買います」との言葉まで引き出すことになったのだ。そして大橋の紹介により新たなアッパー素材として「タチバナラッセル」と手を組み、「4代目陸王」が堂々完成。手にした村野も「完璧だ…」と漏らす。茂木に履いてもらうべく届ける宮沢たちであったが、アトランティスの画策により、「こはぜ屋」の現状を知った茂木は悩んでいた。ついにニューイヤー駅伝当日。選手送迎のバスから降りてきた彼の足下に光るのは、蛍光ピンクのアトランティス社「RⅡ」だ。落胆する「こはぜ屋」一同だったが、彼はバッグから濃紺に蛍光イエローのソールがまぶしい「陸王」を取り出したのだった。

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