松本人志「キム兄は怒り続けるしかない」　『ワレワレハワラワレタイ』が切り取る、芸人の生き様

　しかし、もちろん彼らの話は辛い苦労話だけには終わらない。デビューしてすぐにブレイクしたオリエンタルラジオは当時、天狗になっていたことを赤裸々に語り、ロンドンブーツ1号2号は原宿の歩行者天国で路上ライブをしていた頃を懐かしく振り返るなど、その青春物語はバリエーションに富んでいて、ひとつとして同じものはない。彼らがひたむきに笑いと向き合ってきた人生の回想は、どんな仕事に就いている人間でも、深い共感を覚えるはずだ。しかもこのドキュメンタリーは、それぞれの人生の多様さに触れるほど味わいを増し、奥深くなっていくのも大きな魅力である。鑑賞の際は１本だけではなく、２本、３本と続けて観ることをお勧めしたい。アーカイヴされた彼らの肉声は、横軸で通して鑑賞することで、いっそう心に刺さるだろう。そこには、観る方自身の人生のヒントさえあるに違いない。

（文＝松下博夫）

■公開情報
『ワレワレハワラワレタイ　ウケたら、うれしい。それだけや。』
10月21日(土)より、TOHOシネマズ新宿・TOHOシネマズなんば ほか、全国順次公開
TOHOシネマズ新宿では毎日ゲストが登壇中！
上映スケジュールは公式サイトにて→http://warawaretai.com/
（c）吉本興業

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